プロテインDIY日記

プロテインをおいしく飲むことに執念を燃やしているブログです。

"「糖質制限」論争に幕?"で引用された論文は糖質制限を勧めてなどいない

先日、東洋経済オンラインで以下の記事を読みました。 toyokeizai.net

記事を読むと「医学系の一流ジャーナルであるLancetに」「糖質制限を肯定する”衝撃論文”が発表された」という主張です。 内容を疑わしく思い、Lancetに掲載された元論文を入手して読んでみたのでそれについて書きます。

これね。 www.ncbi.nlm.nih.gov

※論文の電子版は、大学等の研究機関に所属している場合はその大学が権利を購入していれば大学図書館等からアクセスできます。一般の利用者は個人でジャーナルに購読料を払って読むか、国立国会図書館で無償で入手できます。

結論としては「一流ジャーナルであるLancetに」「炭水化物の摂取量が多すぎると死亡率ないし心臓疾患の発生率が上がるという論文が発表された」は正しい情報だけど、「糖質制限を肯定する」の部分は完全なる虚偽です。消防署の方から来ました、レベルの話でちょっと本気でびびる。こんな話がオンラインとはいえ雑誌に載り、医師の個人名で発表されるんだな、情報社会こわい。

途上国の栄養ガイドラインについての話だよ

まず当該論文が何を明らかにするために、どんな調査をしたかをざっくり説明します。主に論文2ページ目の”Added value of this study”の欄から引用すると、

  • 現在の国際的な栄養ガイドラインでは「脂肪摂取量を少なくすること(カロリー摂取量の30%以下)」や、「飽和脂肪酸の摂取量をカロリー摂取量の10%以下にして、代わりに不飽和脂肪酸をとること」を勧めている
  • これらのガイドラインが根拠としているデータは米国およびヨーローッパにおける調査データであるが、米国やヨーロッパでは栄養の過剰摂取に注意が払われている
  • このガイドラインを、栄養失調が一般的であるような国(注:要は貧しい国)でもそのまま使えるかは疑問である

という話で、要は「貧しくて炭水化物摂取の割合が非常に高い国の人たちの栄養を考えるときに、食べ過ぎの欧米人のデータを使って『脂肪の摂取量を減らしましょう』と言うのは正しいの?明らかに炭水化物をとりすぎている人たちに対しては、脂肪の摂取等が勧められるべきだったりしないの?」というのがこのチームが明らかにしたいことです。それらを検証するために、東洋経済の記事でも書かれているように、5大陸18カ国13万人の膨大な食事データが調査されています。

引用原文

Current guidelines recommended a low fat diet (<30% of energy) and limiting saturated ratty acids to less than 10% of energy intake by replacing them with unsaturated fatty acids. The recommendation is based on findings from some American and European countries where nutrition excess is of concern. It is not clear whether this can be extrapolated to other countries where undernutrition is common. Moreover, North Americans and European populations consume a lower carbon hydrate diet than populations elsewhere most people consume very high carbohydrate diets mainly from refined sources.

で、調査の結果がどうだったかというと、こちらは9ページ以降の”Discussion”から引用すると、

  • 従来言われてきた「脂肪の総摂取量をカロリー摂取量の30%以下、飽和脂肪酸をカロリー摂取量の10%以下」という方針と反する結果が出た(注:脂肪の総摂取量、飽和脂肪酸の摂取量が高いグループで死亡率や心臓病の発生率が下がった)
  • 炭水化物の摂取量が多い人(注:カロリー摂取量の60%以上、その分、脂肪やタンパク質の摂取量が少ない)は、炭水化物を減らして脂肪の摂取を増やした方がメリットがある(注:死亡率が減る)と思われる
  • われわれの調査の中で収入が少ない国、収入が中程度の国では非常に炭水化物の割合の高い食事(60%以上)が取られていて、特に白米や白いパンなどの精製された原料が多かったが、これら精製された原料は死亡率や心臓病の発生率を上げると従来の研究で示されている
  • だから炭水化物の代わりに脂肪やタンパク質(注:炭水化物より高価)を取ることが可能な場合(経済的に可能で、かつ入手できる環境の場合に)においては、炭水化物を少なくしようという栄養指導が正しいと思われる

としています。(補足すると、食事に気を使っている人は他にも健康のための取り組みをしていのかもとか、炭水化物の摂取割合の高さはシンプルに貧しさを反映してしまっているのかも等も議論されています。)

引用原文

Our findings do not support the current recommendation to limit total fat intake to less than 30% of energy and saturated fat intake to less than 10% of energy. Individuals with high carbohydrate intake might benefit from a reduction in carbohydrate intake and increase in the consumption of fats. (中略) Moreover, our study most participants from low-income and middle-income countries consumed a very high carbohydrate diet ( at least 60% of energy), especially from refined sources ( such as white rice and white bread), which have been shown to be associated with increase risk of total mortality and cardiovascular events. Therefore, recommending lowering carbohydrate might be particularly applicable to such settings if replacement foods from fats and protein are available and affordable.

極端な糖質制限については論文中で明確に否定されている

さらに同じくDiscussionからですが、論文著者は極端な糖質制限について明確に否定しているので引用します。

  • 炭水化物の摂取量がカロリー摂取量の50%以下の場合に死亡率等が上がらなかったことは、極端に炭水化物の少ない食事が良いと示すものではない
  • 重要なことだが、一定量の炭水化物の摂取は運動による短期的なエネルギー需要を満たすために必要なので、ほどほどの炭水化物の摂取(カロリー摂取量の50-55%等)は、非常に高い摂取量や非常に低い摂取量より適切であると思われる

ちなみに日本人の平均がどれくらいかというと、厚労省の国民健康・栄養調査を見ると58-59%くらいです。なので、炭水化物を取りすぎの自覚がある人は少し控えて、その分、肉や脂肪からエネルギー摂取するというのは正しそうです。

www.mhlw.go.jp

引用原文

However, the absence of association between low carbohydrate intake (eg, <50% of energy) and health outcomes dose not provide support for very low carbohydrate diets. Importantly, a certain amount of carbohydrate is necessary to meet short-term energy demands during physical activity and so moderate intakes (eg, 50-55% of energy) are likely to be more appropriate than either very high or very low carbohydrate intakes.

で、そもそも論なんですけど、この論文を発表したチームと同じチームが同じタイミングでもう1報論文を出していて、それがこれ

www.ncbi.nlm.nih.gov

こっちは「果物、野菜、豆を食べると死亡率や心臓病の発生率が下がる」という話をしています。まあ炭水化物だよね。ちなみにこっちの結論は、これまで400gから800g/日の摂取が勧められてきたけどこれは貧しい国の人には結構大変な水準であり、われわれは375g/日で従来の研究同様に死亡率や心臓病発生率を下げる効果があることを示せたが、貧しい国の人々にとっては400g/日が375g/日にほんの少し減るだけで大きなインパクトがあるだろう、とかそういう話をしています。

ここまで読んでいただけるとわかると思うんですけど、東洋経済の記事を書いた医師は引用した論文を読んでいないか、読んでいて意図的に内容を捻じ曲げたか、論文を徹底的に誤読しているかのいずれかであると思われます。

第三者の視点では「肉と性格では」という指摘も

ついでにもう1つ、面白かったので同じLancetに掲載された第三者のこの研究に関するCommentを紹介しておくと

www.ncbi.nlm.nih.gov

こちらでは上記の2つの論文を出したPUREチーム(PURE: Prospective Urban Rural Epidemiology、例の18カ国13万件調査)の北米とヨーロッパ以外を含む大規模調査の功績を認めつつ、

  • 動物性食品(牛肉、羊肉、乳製品を含む)はPUREの調査した地域のほとんどにおいて、飽和脂肪酸と一価不飽和脂肪の主要な摂取源である
  • 飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪、動物性タンパク質の全てが死亡率と逆相関したということは、実際には単に「肉と乳製品の摂取量が生存率と相関する」というだけなのでは?
  • この質問に答えるためには、PUREチームは動物性食品の種類別の摂取量と死亡率の関係を調査する必要がある
  • 微量栄養素の欠乏はPUREの調査対象の多くの国で重要な問題になっている
  • 動物性食品は亜鉛や吸収可能な鉄分、ビタミンK12、ビタミンB12を豊富に含むが、これらの摂取は炭水化物を多く摂取する国々では最適化されない(注:炭水化物の割合が多い分、動物性食品の割合が少ないため、十分に摂取できない)
  • 従って、栄養豊富な肉を食べることが1つ以上の栄養の欠乏をカバーした、とPUREの結果(飽和脂肪酸等の摂取量割合が高い群で死亡率が低減した)を説明できる可能性がある

という指摘等がされていて、要は「もっと細かく見ないと何とも言えないね」みたいな話がされています。

引用原文

Animal products (including beef, lamb, and dairy) are the major sources of saturated fatty acids and monounsaturated fatty acids in most populations studied in PURE. Since saturated fatty acids, monounsaturated fatty acids, and animal protein were all inversely associated with mortality, is the real finding simply that meat and dairy intakes were associated with increased survival? To answer this question, PURE team needs to complete a thorough analysis relating intakes of different animal products to mortality. Micronutrient malnutrition is an important problem in many of the countries included in PURE. Animal products are rich sources of zinc, bioavailable iron, vitamin K2, and vitamin B12, which might be suboptimal in populations consuming high carbohydrate diets. Therefore, one potential explanation for the PURE results is that nutrient-dense meats corrected one or more nutrient deficiencies.

それからちょっと面白かったのが、

  • Conscientiousness(以下、真面目さと訳します*1)が長寿をもっともよく説明する因子である
  • 例えば日本では、真面目さが「高い」「中程度」「低い」で被験者を3群に分けたときに、「低い」群に比べて「高い」群は54%、「中程度」の群は50%死亡率が低かった調査がある
  • 真面目な人は健康に結びつく様々な行動をとる、例えば、医師の指示にしたがったり、薬をきちんと飲んだり、睡眠習慣が良かったり、アルコールや薬物の乱用をしない
  • 何より、真面目な人は食べるべきとされた食品を食べることがより多く、食べてはいけないとされた食品を食べることがより少ない

という話がされていて、栄養教育の進んだ国じゃないと真面目でも何食べていいかわかんないよねとか続くんだけど、長生きはパーソナリティ次第、というの結構面白い話だなと思いました。逆に考えると、トンデモ医療に遭遇したときにこういうタイプほど影響が大きいのかもしれない。

引用原文

Conscientiousness is among the best predictors of longevity. For example, in a Japanese population, highly and moderately conscientious individuals had 54% and 50% lower mortality, respectively, compared with the least conscientious tertile. Conscientious individuals exhibit numerous health-related behaviors ranging from adherence to physicians’ recommendations and medication regimens, to better sleep habits, to less alcohol and substance misuse. Importantly, conscientious individuals tend to eat more recommended foods and fewer restricted foods.

おわりに

ということで、Lancetに糖質制限を推奨する論文が出た、なんて情報は完全に虚偽でした。なんでこんなことするのかな、一般人は英語で書かれた学術論文なんて読みもしないだろうから簡単に騙されると思ってるのかな。ひどいよね。

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ちなみにこれTipsですけど、健康本を書いてテレビに出たりして「アメリカの◯◯大学の最新の研究によって私の提唱する健康法が正しいと証明された」とかそれ系のことを言う医師は信用しないのが良いと思います。本当に人々の健康や長寿に貢献する圧倒的な健康法があったとして、ちゃんとした医師は

  • 健康法の実施結果のデータを取って
  • 論文にまとめてちゃんとした論文誌に発表して
  • その健康法が世界のスタンダードになるようにする

と思うんです。だからそれを紹介する本を書いたときも「私が◯◯(論文誌)に発表した論文では・・・」と言う話をするはずで、そうでなく「最新のアメリカの研究では・・・」等と言うことは結局その健康法が「データで立証できない仮説止まりの話」ということではないでしょうか。

仮説を思いつくのは自由ですが、「臨床経験豊富な医師が思いついた仮説だから正しいだろう」「一般人が思いついた仮説だから誤りだろう」というスタンスは明確に誤りで、誰が思いつこうが検証されていない仮説は仮説であり、実証された事実とは異なるので、ただの仮説があたかも事実のように流布されるのはひどい話だなーと思います。以上です。

(もし誤訳とかあったらこっそり教えてね!)

*1:いい訳語かちょっと自信ない。心理学系で使われている「Five-Factore Model」という性格分類手法による、5個の性格要素のうち1つということです。誠実さ?

Tarzanのタンパク質特集が良かったのでおすすめ

今週のTarzanがタンパク質特集でとにかく良いのでおすすめ。

dマガジンに来てるしkindle unlimitedにもなってるよー*1


これ一冊読んでおけばトレーニングに伴うタンパク質摂取について「自分は結構詳しいです」という顔ができるくらいの情報量があります。

個人的には、今まで健康に気を使っている人とかトレーニング始めたての人に「タンパク質は意識してとった方がいいよ」と言って「じゃあ何をどれぐらい食べたらいいの?」と返されたときに、断片的な情報だけ与えるのもなんだし専門書とか勧めても相手がそこまで興味持ってないだろうし何て説明しようかなあと毎回悩んでいたのが、これからは「Tarzanの特集に詳しく載っていたのでおすすめですよ」で解決されて嬉しい。


内容のレベルを感覚的に言うと、

  • これまでトレーニングして来なかった人・始めたばかりの人にとっては「知らないこと100%」
  • トレーニングに片足突っ込んだくらい(プロテイン飲み始めたくらい)の人にとっては「3割くらい知ってる」
  • トレーニングに腰まで浸かった人には「8割くらい知ってる」
  • トレーニングに首までどっぷり浸かってる人には「特に目新しい情報はない」

ぐらい。なので腰までの人までは「知らなかった!」があるので一読の価値ありです。あと年配の方で、筋肉が衰えるのを避けたいと運動に励むけど「若い頃と違ってお肉が好きじゃない」等の理由でタンパク質を摂らない方にもぜひ読んでほしいよね。そんな事していても筋肉が減る一方なので。とりあえずうちの60代の母には送ろうと思っています。


自分は結構マニアックな方だと思うけど、わたしから見て内容は全体的にとてもフェアにまとめられているし、トンデモ専門家も全然出てこないし、ツッコミどころもないと思う(あるとしたら記事広告くらい)。そう聞いたら「普通のことでしょ?」と思うかもしれないけどこれが案外普通じゃなくて、女性誌の筋トレ特集とか筋トレマニア向けの専門誌とかにはこんなフェアな記事は全っ然なくて、もう必ずトンデモサプリとかトンデモ栄養学が幅を利かせている。だからこのTarzanはかなり感動的です。

これだけ読んでおけばこの先トンデモ情報に出会ってもトンデモと見抜く目は結構養われると思うので、タンパク質について知りたい!そうだググろう!とか一瞬でも思う人は餌食になる前に読んでおいた方が確実に良いです。

最近もトレーニング界隈で超有名な女性モデル(女性誌の現役モデルで筋トレの大会にも出てる)がTwitterでHMBのサプリの宣伝をして「6粒で」「プロテイン10杯分」の効果があると言ってプロテイン代わりに飲むのを勧めていたので度肝を抜かれた*2んだけど、筋トレのアイコンになるような人でもそんな情報発信をしている自浄作用ガバガバな業界なので、絶対に知識をつけて自分を守った方が良いです。ほんとはそっちの自浄作用が効いてくのがあるべき姿なんだろうけどなかなか難しそうだよね。

*1:2017/9/15 現在

*2:おそらく「HMBサプリ6粒の筋肉合成を促進する作用」が「プロテイン10杯に含まれるロイシンの筋肉合成を促進する作用」と等価、と言いたいのだと推測しますが、プロテインの一般的な用途が「筋肉合成を促進する」ではなく「タンパク質の摂取量を増やす」であるためこの言い方は詐欺的であると強く思うし、そもそもHMBがロイシンより優れているという点も個人的には非常に懐疑的です oishiku-protein.hatenablog.com

初心者に伝えたい、ゼロから筋トレを始めてかっこいい体を目指す方法

最近、自分のまわりに筋トレを始めた人、始めようと思ってる人が増えてきたので、そんな人向けに「どうやって筋トレを始めればいいか」について書こうと思う。

はじめに書いておくと「これだけで簡単に痩せる!」みたいなショートカットが出てくる話ではない。というか世の中にそんな方法は存在しないので、そういう耳障りの良い嘘に惑わされないための話でもある。

0. 自分の知識がゼロであることを認識する

まず前提として、絶対に認識しなければならないのは「自分は筋トレについて何も知らない」ということ。

多くの人が中学校や高校の運動部でいわゆる「筋トレ」を経験していることもあって、なんとなく「自分は筋トレとは何か知っている」という気持ちを持っていると思う。

でもちゃんとしたトレーニングを始めれば多分すぐに気づくんだけど、実は間違った知識しかないということはよくあって、少なくとも「怪我なく」「効率よく」「理想のボディラインを得るために」トレーニングする方法を知っている人はほとんどいない。

なのでまずは「自分は筋トレのやり方を学ぶ必要がある」と認識して、学ぶための行動をとる必要がある。

その面で「自分はこれまで全然運動をしてこなかったから何も知ってるわけがない」というタイプの方が、ちょっと運動してきた人よりもゴール(理想の体型)に近いと思う。

1. 正しい情報源にあたる

知識を得る必要があるとなれば次にすることは「正しい情報源を探す」こと。初学者が間違った情報源に行き当たってしまうと時間を無駄にしたり、怪我をする危険があるので最初に触れる情報は選ばないといけない。

例えば「未経験から料理の腕をとことん上げたい」ケースを想像してもらえばよくて、最短ルートでゴールに行こうとしたらプロの手ほどきを受けたり、並行して質のいい教本から学ぶのが確実に一番早い。

だから「調理を学んで店を開きたい」と言う人がもし身近にいたら、「調理の専門学校に行くのかな?」とか、「どこかの店に弟子入りするのかな?」と思うだろうし、そこで「いや自己流で」と言っていたり、ファッション誌の「カフェ飯特集」で勉強していたり、素人のtwitterや料理ブログ見て真似してたら、「それは違うんじゃない?」と思うと思う。

筋トレを始めてボディラインを美しくしようと思う人がイコール、プロのボディビルダーを目指す人という話ではないのでその辺が良い例えになっていないだろうけど、でも「最短ルートを走りたいならプロに教わり教本に学べ」というのは結構何でも変わらない話だと思う。

だから筋トレの初学者も勘や自己流でマシンやバーベルに触るべきではないし、ファッション誌の「プチ引き締め特集」からエクササイズを学ぶべきではいし、素人のtwitterやブログで「これ最高に引き締まるよ」と言われて真似するべきではない。

2. パーソナルトレーナーをつける

まずプロの手ほどきについて。ゼロから筋トレを始める人は、筋トレのプロであるパーソナルトレーナーの指導を少なくとも数回は受けた方がいい。これは絶対。

ゼロから筋トレをする人は極端にいうと、「筋トレをして(方針)、かっこいい体になりたい(ゴール)」しか情報を持っていない。ゲームで例えると「レベルをあげて(方針)、魔王を倒す(ゴール)」ことはわかるけれど、勇者の名前を決めた次は何したらいいの?ここどこ?武器って買うの?作るの?みたいな感じ。

そこでパーソナルトレーナーがどんな人かというと、廃プレーヤー、つまり既に多くの時間やお金をトレーニングに注ぎ込んだレベルMAXの人。パーソナルトレーニングはそんな人を時間単位で雇用して一緒にプレイしてもらうことなので、「この武器屋でこの剣を買うとレベル15くらいまで使える」「あの敵は毒持ってるから気をつけて」とか必要な情報を教えてくれるし、「レベルが高い敵を倒すのを側で見守ってくれる(死にそうになったら救助してくれる)」のでレベルもがんがん上がる感じ。

実際の話をするとトレーニングの方法、必要な道具、肘・膝・腰などを痛めないように気をつける点等を教えてくれて、高負荷のトレーニングを側で見守ってくれる(無理そうになったらそっと横から持って怪我しないようにしてくれる)。

たぶん、何となくパーソナルトレーナーいらないって思ってる人は筋トレマニア向けのサービスだと誤解しているのではと思うんだけど(「私はトレーナーつけるほどじゃないし」的な)、現実には初心者の方が得るものが多いと思う。

トレーナーがやってくれることをざっくり分類すると、

  • 知識・技術を教えてくれる
    • トレーニングに必要な前提知識を教えてくれる
    • なりたい体のために必要なトレーニングの種類・回数・頻度を教えてくれる
    • 必要なトレーニングのやり方(技術)を指導してくれる
  • トレーニングを効率化してくれる
    • 補助をしてくれる
    • はげましてくれる(途中で諦めさせてくれない)
    • 自分の体の状態を客観視してくれる(筋肉のつき方のバランスとか)

という感じだと思う。筋トレマニアは効率化の方を中心に利用してると思うけど、初心者は全方位でお世話になる。だから初心者にこそ効用が高いと思っている。

特に技術面は独学で学ぶのが難しく、例えば本で学んで「正しい姿勢で引く」とか「腹圧を高める」と書いてあったとしてそれがどんな状態なのかなかなかわからないし、画像や動画で見ても果たして自分ができているのか、この感覚であっているのか等わからないことが多い。だからトレーニングを本格的に始める前に必ず、そういうエッセンスをプロに教えてもらい見てもらった方がいい。

あと、そもそも初心者(特に女性)はジムのマッチョがいっぱいいるゾーン(ウェイトとかマシンとかあるところ)に入りにくかったり「自分は場違いなのでは?」みたいな気持ちになりがちだと思うけど、その場の誰よりマッチョなトレーナーが連れていってくれれば安心。何度か一緒に入ってればそのうち慣れる。

2-1. トレーナーに依頼するには

普通のことを言うけど、パーソナルトレーニングはトレーナーがいればできるわけではなく、トレーナーと教えてもらう場所(ジム)のセットが揃わないとできない。それで、どっちの立場が強いかというとジムで、世の中には大まかに、

  1. パーソナルトレーニング禁止のジム
  2. ジムと契約しているトレーナーによるパーソナルトレーニングのみ許可のジム
  3. トレーナーが運営している、トレーナーの顧客のみが利用するジム

の3パターンがある。外部のトレーナーを勝手に連れてきて指導を受けて良いジムというのを私は知らない(マンション併設ジムとかならあるのかもしれない)。なのでトレーナーに依頼しようと思ったら、まず2か3のジムの中からどれかを選んで、次にそのジムの提供するリストの中からトレーナーを選ぶことになる。

個人的な意見だけど、パーソナルトレーニングは費用がそれなりにかかるから、初期に3〜5回くらいお願いしたらあとは基本は自分でトレーニング、その後、数ヶ月に1回とかでフォームや進捗を見てもらったり新しいトレーニングを教えてもらうのが良いかなと思っていて、それが可能な契約形態のジムがいいと思う。

ちなみに費用はジム、トレーナーによってかなり幅がある(1回5,000円〜20,000円とか)。

想像だけど、

パーソナルトレーナー代 = トレーナーの取り分 + ジムの取り分

という費用構成になっていて、トレーナーの取り分に比べてジムの取り分のばらつきが激しいんだと思う。似たようなキャリアのトレーナーにお願いしても、ジムが違えば倍くらい時間単価変わったりするし。

たぶん公営ジム(市営・区営とか)がジムの取りが一番少ないので、近くにあればそこでお願いするのがいいと思う。あと公営ジムはどこも月契約じゃなく都度利用できると思うから、とりあえず始めてみる、パーソナルトレーニングの時だけ利用するという人にも都合が良い。

2-2. パーソナルトレーナーの選び方

カウンセラー等の職業と同じでトレーナーを名乗ることには何の資格も必要ない。だから、ジム側である程度の選別はしていそうとはいえ結局は自分で見極めないといけない。

基本的には王道を走っている人がいいと思うので、

  • トレーナー団体の認定等を持っている人
  • 特殊なメソッドを提唱していない人

が無難かと思う。

何の事前情報もない場合は「その人がマッチョかどうか」でしか判断できないけど、少なくともマッチョであれば自分に筋肉をつけた実績はあるので細いトレーナーよりは信用できる。何せパーソナルトレーナーに望むことの基本は、廃プレーヤー=トレーニングに多くの時間やコストをかけてきた人であることなので。

あとは同性の方が指導中の接触でお互い気を使わなくていいと思う。わたしの経験では、同性のトレーナーに遠慮なく押したり引いたりしてもらった方が、異性のトレーナーに控えめに最低限の接触で指導されるより効率が良いように感じた。まあこの辺はトレーナーによるので何とも言えない。

念のため一応書くけど、「筋トレの指導が受けたい」というのは最初に伝えないといけない。ジムによってはヨガやエアロビクスが専門のトレーナーもいるので、ちゃんと筋トレが専門の人から選ぶ。

2-3. トレーニング初回までに準備した方が良いもの

ウェア

初心者と伝えて「何を持って行ったらいいですか」と聞くと「動きやすい服装、運動靴、タオル、ドリンク」とか言われると思う。でも背中の動きがわかりやすいトレーニングウェアは最初に用意した方がいい。男性なら体にピッタリ密着した伸縮性のあるトップスとか、女性ならそういうの又は背中の開いたタンクトップ(+スポーツ用の見えてもいいブラ)とか。

わたしが初回で行った時は普通のTシャツだかタンクトップだかで行ったと思うんだけど、それだと肩甲骨や背筋の動きが正しいか背後から見てもわからないためにトレーナーさん(男性だった)が毎回「失礼しますね」と断って手で触れて確認していてこちらが何か申し訳なかった。同性のトレーナーならそこまで気は使わないかもしれないけれど、それでも見て丸わかりの方が良いと思う。

なりたい身体のイメージ写真

先にトレーナーがしてくれることの1つに「なりたい体のために必要なトレーニングの種類・回数・頻度を教えてくれる」と書いたけど、そのためには自分とトレーナーの間で「なりたい体」のイメージを正確に共有する必要がある。

「筋肉がついて引き締まった体になりたいです!」とだけ伝えても、例えばサッカー選手も、水泳選手も、アメフト選手も、柔道選手も、フィギュアスケートの選手もみんな筋肉がついて引き締まっていて、けれど体は全然違う。だからクリスティアーノ・ロナウドを目指したい人ならボブ・サップになる方法を教わって帰らないように、クリスティアーノ・ロナウドの写真をトレーナーに見せて「これに近づくにはどうしたらいいですか?」と聞いたほうがいい。要は美容院と一緒で、「かわいい感じにしてください」と言っても相手の脳内のイメージを限定できないので、事前に参考になる写真を探して持って行く。

注意しなければいけないのは美容師に「広瀬すずにしてください」と言っても、髪型は広瀬すずにできても顔は広瀬すずにできないのと同じで、トレーニングで身長が伸びたり足が長くなったりすることはないこと。だから自分と似た身長・身体バランス・年齢の人から選ぶようにする。

具体的にはモデルやタレントの写真ではなく

  • アスリート
  • 一般人

のどちらかの写真を持っていくのがお勧め。わたしの一押しはフィットネス雑誌の読者モデルの写真。男性のはあんまりチェックしていないからわからないけど、女性だとWomans Shapeとかが良いと思う。体脂肪率をすごい絞った人・そこまで絞ってない人、筋肉のボリュームが大きい人・そんなに大きくはしていない人、とか色んなタイプの引き締まった一般人が載っているので参考になると思う。

Woman'sSHAPE&Sports(ウーマンズシェイプアンドスポーツ) (vol.15)

Woman'sSHAPE&Sports(ウーマンズシェイプアンドスポーツ) (vol.15)

ちなみに女性の場合、トレーニングでバストが大きくなったりバストが上向いたりすることはないけれど、お尻は大きくなったり小さくなったり上向いたりするから自分がかっこいいと思うヒップラインの人の写真を探すのも良いと思う。自分と全然サイズ・形の違うバストの写真を持ってって「これになりたい」と言ってもトレーナーは困った顔すると思うけど、お尻なら絶対応援してくれるしトレーニングメニューを考えてくれると思う。

時間

蛇足かもしれないけど、トレーニングに時間を割く準備をしておくこと。今の自分よりすごい細い写真を持っていくのも、すごい筋肉の多い写真を持っていくのも全然ためらう必要はないけれど(むしろ歓迎されそう)、「こうなりたいけどトレーニングできるのは月1回なんです」と言うとトレーナーは困るというか、「では無理ですね」という話になってしまうと思う。

わたしの場合は「3日に1回」(中2日)でトレーニングするように指導されてるけど大体みんなそんな感じになるはずなので、とりあえず週2(中2日と中3日)くらいではジム通いする算段をつけておいたほうがいいと思う。

短期間でものすごい変化させることを希望する場合は、もっと時間を取れと言われる可能性もある。太っているところから激やせを目指す場合は筋トレに加えて有酸素運動に多く時間を取れと言われるだろうし、筋肉量を急いで増やすなら週5、6回トレーニングする(肩と腕だけの日、背中だけの日、とか分けることで部位別に見ると中2日になるようにする)ように指導されるかもしれない。その場合は期間と頻度のトレードオフなので、「3ヶ月でこうなりたい」「なら週6で頑張りましょう」「週2しか無理です」「なら1年かけて頑張りましょう」みたいに落とし所を探ることになると思う。

3. 書籍などに学ぶ

パーソナルトレーナーに教わったことの理解を深めたり、ある程度ひとり立ちできるようになった後にメニューを増やしたりするのに書籍や動画は有効だと思う(書籍や動画だけで勉強するのはお勧めしない)。

本当に「最短ルート」を突き詰めたかったら継続して週2、3回パーソナルトレーナーをつけるのが一番早いだろうし、その場合は書籍等に学ぶ必要はあまりないのだろうけれど、普通はなかなかそうも行かないと思うので補完的に使うといいと思っている。

3.1 書籍

書店に行くと沢山のトレーニング関連本が並んでいるけれど、そこから選ばない方が良い。理由はトレーナー選びで書いたのと同じく「基本は王道」「特殊なメソッドを提唱していないものがいい」と思うからで、書店に並んでいるのは大抵が「◯◯流」「◯◯メソッド」(◯◯には人名等が入る)とか「△△するだけで」とか、要は特殊なものばかりで、最短ルートでトレーニングするための教本としては不適切だから。

じゃあ何がいいかというと、わたしのお勧めはこういうので、

男性の場合;

目でみる筋力トレーニングの解剖学―ひと目でわかる強化部位と筋名

目でみる筋力トレーニングの解剖学―ひと目でわかる強化部位と筋名

女性の場合;

美しいボディラインをつくる女性の筋力トレーニング解剖学

美しいボディラインをつくる女性の筋力トレーニング解剖学

うちではそれぞれ「解体新書みたいなやつ」(男性版)、「女性版の解体新書っぽいやつ」(女性版)と呼んで夫婦ともよく参照しているのだけど、トレーニングと筋肉について解剖学的に解説していてわかりやすい。部位別にどんなトレーニングを取り入れようか考えたり、トレーニングをしていて正しい筋肉が使えているのか気になった時に確認したりしている。

3.2 動画

文章や図解で学んだトレーニングの理解を深めるのに、動画で見るのは良い手段だと思う。世の中にトレーニングを解説した動画は溢れていて、しかし玉石混交で毎回質を確認するのは面倒なので、その辺のYoutuberの動画を気軽に参考にしない方がいい。

わたしはよくMSNの解説サイトを見ているのだけど、色々な方向から見たトレーニング動画とシンプルな解説が載っていて結構いいと思う。

こんなのとか、

www.msn.com

こんなのとか。

www.msn.com

米msnで作ったのをそのまま日本語訳したんだろうけど、あんまり活発に見られている雰囲気がなくて何となくもったいない。

ちょっと申し訳ないけどサイト内で見たいワークアウトを探すのが不便なので、主にGoogleで「デッドリフト msn」のように知りたいワークアウトの名前+「msn」で検索している。

4.おわりに

最近ブームがきて多くの人が筋トレを始めているの最高と思うんだけど、でもブームになればなるほど「◯◯するだけ」「自宅でできる」「ゆるく」とか、筋トレを失敗させる落とし穴的なキーワードが世間に溢れてしまっているので、そういうのに騙されずにちゃんとしたルートに乗って欲しいと思って書いた。

たぶん始める前は筋トレって辛いとか、苦しいとか、退屈とかいうイメージだと思うけど、それは部活とかでやったいけてない自重トレのイメージを引きずってるだけのことが多いと思う。ちゃんとしたトレーニングは比較的短時間で集中力を使ってやるし、ギリギリの力を出すと脳内麻薬出る感じで爽快だし、日々確実に体型が変わっていって楽しい。

だから半端なことをして「やっぱり筋トレ嫌いだな」と思う前に、さっさとパーソナルトレーニングを予約して「トレーニングいいね!」側に来るといいと思う。こっちは楽しいよ!以上!

ホエイ+『インスタントコーヒー』

色々(ゼルダとかスプラトゥーンとか)あって久しぶりになっちゃった更新はインスタントコーヒーを使ったカフェオレ味です。

(でもトレーニングとプロテインは続けてた。えらい!)


更新止まってた期間は主にこれと抹茶シロップ(次に書く予定)と前に書いた桃シロップで回してたんだけど、コーヒーの何がいいって「甘くなくておいしい」味をローテーションに入れられるのがすごく良いです。

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泡はもこもこ立つけど、いい感じのカフェオレっぽくて泡を楽しめる稀有な味付けだと思う。

使ったのは最初はこれ↓

amazonには6パックセットしかないけど、東急で1パック単位で200円弱?くらいで売ってたと思う。

使い切ってからはこっち↓

UCC おいしいカフェインレスコーヒー 45g

UCC おいしいカフェインレスコーヒー 45g

こっちは東急で税別478円だったので、amazonで頼んでもあんまり変わらないっぽい。

味評価

S:頻繁に積極的に飲みたいくらい美味しい

味の評価基準についてはこちら → 味の評価基準 - プロテインDIY日記

コメント

今までの味付けが甘い味ばかりだったので、おいしいんだけど「今はあんまり甘いものの気分じゃないなー」というときに若干課題感はあったのが完全に解決されてすごく気に入っている。牛乳とコーヒーの相性が良いせいか甘さがなくてもすごくおいしい。

既成の味付けプロテインで「カフェオレ味」が好きという人をたまに見るけど、コーヒーとプロテインはかなり良い組み合わせだと思う。すごい納得。既成のを買う人はぜひチョコ味とかじゃなくてカフェオレ味を選ぶといいと思う。


カロリーがないので寝る前に気にせず飲めるのもすごく良いポイントで、最近は寝る前は8割方これ。味自体は別にノンカフェイン品を選ぶ必要ないんだろうけど、寝る前に飲める!っていうメリットがでかいので私は断然ノンカフェイン派です。

注意点としては入れる量が少ないとまずいので、1回量2gくらいをちゃんと入れること。2g測りにくいので、計測するのが面倒な人は最初は2g入りのスティックを買う方がいいと思います。2gの濃さがどんなものかわかったら、ビン入りに移行するとなかなか減らないので買い足すのが楽。

1回分使用量

2g

価格(購入時、1回分あたり、税別)

21円

熱量(1回分あたり)

6kcal

たんぱく質(1回分あたり)

0.4g

脂質(1回分あたり)

0g

炭水化物(1回分あたり)

1.1g


<補足>

プロテイン*1 無脂肪乳 合計
1回分使用量 25g 100ml -
価格(1回分あたり、税別) 51円*2 27円*3 78円
熱量 93kcal 51kcal 144kcal
たんぱく質 23g 5g 28g
脂質 0.1g 0.0g 0.1g
炭水化物 0.6g 7.6g 8.2g

*1:マイプロテインのImpact 分離ホエイプロテイン (アイソレート)を使用

*2:2.5kg入りを30%OFFセールで購入時。詳細はこっちの記事に記載→ 使っているプロテインについて(最新) - プロテインDIY日記

*3:2017/7購入時

日本人のたんぱく質摂取量が落ちている

ダイエットについての記事を書く際に「そもそも普通の人の普通の食生活でたんぱく質は何gくらいとれてるんだろうか」というのが気になって調べたら、なぜか現代の日本人のたんぱく質摂取量はがんがん減っていることがわかったので書いておこうと思う。

日本人のたんぱく質摂取量が落ちている

よく「食の欧米化」とか聞くし、現代人は沢山たんぱく質をとっていそうに思えるんだけど、まずこれを見てほしくて、


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これは厚労省の国民健康・栄養調査(平成26年*1の表から数字を引っ張ってグラフにしただけなんだけど、1950年から1975年までの間で1人1日あたり11gほど摂取量が増え、1995年までほぼ同じ水準で推移し、そこから急に下降をはじめて2010年には14gほど減っている。

だから、2010年の日本人のたんぱく質摂取量は、なんと戦後間もない1950年より少ない。ええーーーっって感じじゃない?

1950年から1975年までは戦後の貧しい状況から復興するにつれて食事が改善したり、よく言う「食の欧米化」みたいな話で肉を食べる量が増えたりしたんだと思うし、1975年から1995年はある程度食が豊かになった後は無限に増えず一定の上限で止まったっていうのが普通にありそうで、理解しやすい。

でも、そこから急降下したのはちょっとよくわからない。野菜をたくさん食べましょう、と言うのが広まったからかな。わからないけど、でも実際に現代人は1950年の頃よりたんぱく質をとっていない。なぜか知ってる人がいたら教えて欲しい。

ちなみにだけど、引用したのはサンプルの平均値ではなく年齢構成に基づいて調整済みのデータでなので、肉を食べる量が少ない幼児や老人が増えた、とかそういう年齢構成の変動による影響は除去されています。

男女別に見てみた

とりあえず1995年、2005年、2015年の10年刻みで男女別、年代別に国民健康・栄養調査のデータを引っ張ってきてみた(1995年は「国民栄養調査」)。

男性がこれで、

f:id:shepherdess:20170714215835p:plain

女性がこっち。

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ちなみに「推奨量」って赤線で入れてるのは厚労省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」 報告書*2から引っ張ってきた、18歳以上の男性、18歳以上の女性のたんぱく質摂取の推奨量(男性60g/日以上、女性50g/日以上)です。

こう見ると20代は男女とも下げ止まってる感じはするけど、30代・40代は下降傾向。

数字は各調査の標本の平均値で、標準偏差が2015年のデータで男性で25〜28、女性で18〜22くらい。1995年のデータに標準偏差はついてなかった。まあでも同じぐらいだと仮定して考えると、1995年も2015年も平均値周辺が推奨量をクリアできてるのは同じなんだけど、1995年当時は推奨量を下回るのは一部のマイノリティだけだったのが、2015年時点だとマイノリティっていうほど小さくないボリュームが推奨量を下回ってそうに見える。

自分のたんぱく質摂取量が足りているか確認した方がいい

ダイエットの記事でも書いたけど、「たんぱく質が足りている?」と一度自分の食生活をチェックするのがいいと思う。意外と足りてないことが多いだろうから。詳しい方法はダイエットの記事を見てほしいけど、一番簡単なのはたんぱく質量の表記があるものを食べることだと思う。コンビニとか、チェーンのレストラン(メニューに表記がなくてもホームページで公開してることが結構ある)とか。

oishiku-protein.hatenablog.com

それから最後に、20年前のダイエット本や20年前にダイエット成功した人の成功体験からは「たんぱく質は意識しなくても足りてるから大丈夫!それより野菜をたくさん食べて!」とかいうメッセージがあるかもしれないけど、そういうのを見たら「時代が違うんで」と言うのがいいと思います。以上です。

HMBに関するフェアな話

最近かなり広告をみる筋トレ系のサプリメント、HMB。今日はこれっていいの?ということについて書こうと思うよ。

はじめに言うけど、結論は「HMB買うべし」じゃないです。


HMBってなに?

  • ロイシン(必須アミノ酸の1つ)の代謝物(ロイシンを元にして体内で作られる、ちょっと形を変えた物質)の1つ
  • 正式な名前はβ‐ヒドロキシ‐β‐メチル酪酸(β-hydroxy-β-methylbutyrate)

だよ。

HMBは何がいいとされてるの?

たぶん、このブログに辿り着く前にHMBについて知ってた人がサプリメントメーカーやステマ系ブログで見た情報ってこんな感じだよね。

  • 筋肉を増やすスーパーサプリメント
  • 体内でロイシンを元に作られるが、HMBになるのはロイシンのたったの5%!
  • ロイシンがHMBになることで筋肉の合成が促進されるから、ロイシンを飲むより20倍も効率がいい!
  • あの○○や△△も飲んでる!

で、それってどうなのっていうことについて書いていこうと思うよ。

HMBを売ってる人たちが伝えない事実

全般的にとても恣意的に、HMBがすごく見える情報が選択されて提供されていると思うので、そこで選択されなかった「HMBそんなすごくなくない?」という見え方の情報を淡々と書くよ。

まず筋肉を増やすということについて。これは増えるには増えるんだけど、

1.「ロイシンとHMBを比べたらロイシン(+110%)の方がHMB(+70%)より筋肉を増やした」という論文があるよ www.ncbi.nlm.nih.gov

2.「アスリートにHMBを飲ませて筋トレさせたら、HMB飲ませない場合と比べて結果が変わらなかった」という論文があるよ www.ncbi.nlm.nih.gov

で、その上で、1の方を含めて筋肉の分解を防ぐ効果はあるかもって言われてるんだけど、それがサプリとして効果を検証されてるのは病気(エイズとかがんとかその他寝たきり)で衰弱して危険な水準まで筋肉が落ちた人や筋肉のない高齢者に対してで、高齢でない健常者に対しては調べた感じではちゃんと検証されてないよ。

そもそもHMBを飲んで筋肉の生成が20倍になるなんてことが起こるなら、細胞内の調節機構がどこかぶっ壊れて他のところにガタがくると思うんだけど、歴史が浅いサプリながら「副作用はない」とされてるのは逆に効果がないってことじゃないかな。言うような効果があるなら医師の処方せんがないと手に入らないようになるよね。

壺を買う程度の意味で飲むならいいのでは

どうしてもトレーニングをショートカットしたくなったり、なかなか効果の出ない時期がきて焦ったり、何かに頼りたくなったりする気持ちはわかる。わかるから、あんまりHMBを飲んでる人に「それ意味ないですよ」と言おうと思わないんだけど、でもサプリの売り手側の情報の出し方がちょっとずるいなーと思うので書いたよ。

実際、日本でもかなり大手のサプリメントメーカー(どことは言わないけど)が作ってるHMB入りプロテインの説明ページでは、論文を引用しながら、すごーくそれっぽく、科学的な裏付けがあるように書いてあるけど、不都合な情報だけ一方的に取り除いて情報を切り貼りして、誤解に誘導するのって全然フェアじゃないよね。

「これがあればきっと大丈夫」という気持ちの拠り所にすることは否定しないけど、でも少なくとも拠り所を求めてない人がサプリを選ぶときには、フェアな情報との接点があった方がいいと思う。

じゃあ結局何を飲めばいいの?

肉を食え。


もうちょっと丁寧にいうと、バランスのとれた食事をしながら十分にたんぱく質をとり、食事だけで不足のあるときはプロテインで補い、運動前・運動中はBCAA入り飲料で補水する、くらいのオーソドックスなことを大事にして、ショートカットを望まずにコツコツとトレーニングに向き合うのがいいのではないでしょうか。

もちろん、みんな大好きロイシン(ロイシンで検索してこのブログにくる人結構多い)は肉や魚などからとれるたんぱく質の中にもたっぷり含まれてるし、プロテインの中にも、BCAAの中にも含まれてるよ。

前にこっちの記事で書いたけど、たとえば豚ヒレ肉100gには3200mg、鶏肉むね肉(皮なし)には100gあたり3100mg含まれています。

oishiku-protein.hatenablog.com

なんで次から次に変なサプリメント出てくるの?

単純に、サプリメント屋さんが売上を伸ばすには単価と顧客数のどっちかを伸ばすしかなくて、単価を上げるためにプロテイン以外にもサプリを多く飲ませたいからだと思ってる。プロテインにサプリを足したりするのもプロテインの単価を高めるためにやってるんだろうし。一消費者としてはそれよりもっと、トレーニング人口を増やすことに力を入れたらいいと思ったりもする。

ただ、変てこサプリメントを売ってるサプリメント屋さんがすなわち悪かというとそこは難しいと思っていて、他社が軒並み「このサプリメント最高!画期的!」ってプロモーションしたら自社もその商品持っとかないと「最新のサプリメントに疎い会社」と扱われたり、プロテイン等と一緒に買えないからと丸ごと乗り換えられたりするんだろうし、ラインナップに加えざるを得ないところもありそう。消費者としては、ただただ、牛乳からチーズ作る時に出た大量の排水を濃縮して粉にして売ってくれればそれでいいんだけど…(ホエイのことです)。

そんな訳で、わたしはHMB最高!とは思ってないし、HMB最高!とか、クレアチンやアルギニンとライン使いするべき!とか言ってるメーカーはちょっとどうかと思ってます。以上です。

ホエイ+『杏仁霜』a.k.a. 飲む杏仁豆腐

最高!今までわたしの中で最強だったヤクルトを超える味つけをやっと見つけた。 「杏仁豆腐味のホエイ」じゃなくて、「飲む杏仁豆腐(実はたんぱく質が大量に含まれている)」って感じ。

杏仁豆腐が嫌いでなければぜひ試して欲しい。わたしは久しぶりに3日連続同じ味で飲んだくらいはまってる。

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クコの実は可愛くなるかなーと思って乗せただけなので、プロテインを飲む際には不要です。

使ったのはこちら↓

ユウキ食品 杏仁霜(アーモンドパウダー) 150g

ユウキ食品 杏仁霜(アーモンドパウダー) 150g

アマゾンでも近所のスーパーでも600円+税くらい。

味評価

S:頻繁に積極的に飲みたいくらい美味しい

味の評価基準についてはこちら → 味の評価基準 - プロテインDIY日記

コメント

匂いもいい。味もいい。ホエイの存在をどこにも感じなくて、完全にただの杏仁豆腐(ただし固形ではない)。というか、この杏仁霜というのがそもそも溶かしたゼラチンと牛乳と混ぜて冷蔵庫に入れると杏仁豆腐を作れる言わば”杏仁豆腐の素”なので、ホエイと無脂肪乳と混ぜて飲んだところで「ゼラチンが入ってなくて液体のままの」「乳脂肪がなくたんぱく質が多めの」杏仁豆腐であるというのは当たり前というか、約束された勝利かもしれない。

わたしはプロテインと普通の食事は分けたい派だから、この「飲む杏仁豆腐」がわたしにはベストだけど、自作プロテインバーとか、プロテイン入りホットケーキとか、そういう”プロテイン入り料理”が好きな人はこれにゼラチン入れて固めたらすごく美味しいおやつができて良いんじゃないかな。

そうそう、味と匂い以外にもう一つすごいのが食感。ホエイをダマなく溶かすのは結構難しいと思うんだけど、ホエイを無脂肪乳にいつも通り溶かした後に杏仁霜を入れてしばらく混ぜると、不思議にダマが消える(最初から混ぜたり、大きなダマがある状態で入れた場合は上手くいかなかった)。完全にダマのないホエイなんて飲んだことなかったから、これは本当に魔法みたい。何がどうしてそうなるのかはさっぱり意味がわからない。


話は逸れるけど、もともと杏仁豆腐は「甜杏仁」という杏の種を使う料理なのが、日本では甜杏仁の代わりにアーモンドエッセンスで代用したなんちゃって杏仁豆腐が多いらしい。でもユウキの杏仁霜の原材料を見るとちゃんと「甜杏仁」と書いてある。のに、パッケージ正面にはでかでかと『ALMOND POWDER」の表記(原材料にアーモンドなし)。お前は一体何者なんだ。(たぶんなんちゃって杏仁豆腐が広まりすぎたせいだと思うんだけど。)

(2017/7/12追記:杏仁霜の原材料に「香料」とあるんだけど、問い合わせたら「杏仁オイル」だと教えてくれました。そういうのが気になる人向け情報です。)

1回分使用量

大さじ1(大さじ1だと完全に杏仁豆腐、小さじ2だと杏仁豆腐風ドリンク、どちらも美味しいのでお好みで。)

価格(購入時、1回分あたり、税別)

44円

※150g入り600円くらいのを買ったけど、次は400g入りを買うかも。そっちはもうちょっと安い。

熱量(1回分あたり)

43kcal

たんぱく質(1回分あたり)

0.2g

脂質(1回分あたり)

0.3g

炭水化物(1回分あたり)

9.6g


<補足>

プロテイン*1 無脂肪乳 合計
1回分使用量 25g 100ml -
価格(1回分あたり、税別) 51円*2 27円*3 78円
熱量 93kcal 51kcal 144kcal
たんぱく質 23g 5g 28g
脂質 0.1g 0.0g 0.1g
炭水化物 0.6g 7.6g 8.2g

*1:マイプロテインのImpact 分離ホエイプロテイン (アイソレート)を使用

*2:2.5kg入りを30%OFFセールで購入時。詳細はこっちの記事に記載→ 使っているプロテインについて(最新) - プロテインDIY日記

*3:2017/7購入時