プロテインDIY日記

プロテインをおいしく飲むことに執念を燃やしているブログです。

筋肉量を増やすロイシンとロイシンを多く含む食品

プロテインブログを始めたら身近な人たちにわたしが筋肉やプロテインに興味があることが伝わって、生物系の研究職の友達(not筋トレマニア)が「ロイシンを飲むと筋肉が増える」と教えてくれたので今日はその話です。

筋トレマニアたちの間では「BCAA(バリン・ロイシン・イソロイシンの総称)を飲め」というのは割と常識っぽくて、わたしもパーソナルトレーナーに教わった初日に「トレーニング中の水分補給は”BCAA”って書いてあるの溶かして飲んだ方がいいよ」と教わっていたんだけど、なんで飲んだ方がいいのかをちゃんと考えたことはなくて、まあ必須アミノ酸の一部だし、筋肉が合成されるときに足りないとボトルネックになる可能性があるから取るのかなーくらいにぼんやり思っていた。

で、今回「ロイシンを飲むと筋肉が増える」という話を聞いて調べて見たんだけど、この名古屋大の先生が書いている「分岐鎖アミノ酸代謝の調節機構」って言う総論が分かりやすくて(リンク先で全文読めます)、

分岐鎖アミノ酸代謝の調節機構

関係あるところをすごいざっくり要約すると、

  • BCAAにはタンパク質の構成アミノ酸としての機能だけでなく、タンパク質代謝及びグルコース代謝を調整する機能がある
  • タンパク質代謝に強い生理作用を持つのはロイシンである
  • ロイシンはタンパク質の合成を促進する(mRNAの翻訳を促進する)
  • ロイシンはタンパク質の分解を抑制する
  • BCAAは骨格筋のタンパク質合成を強く促進する

っていう感じ。なるほどロイシン摂取した方が良さそう。ていうかこれ、筋トレしなくてもロイシン飲んでたら加齢で筋肉落ちるのをある程度は防げたりしないの?すごく可能性を感じる。感じない?

で、よーしロイシン飲むぞーと思って、とりあえず自分が筋トレ中に飲んでいるBCAAのサプリを見たら、

アミノバイタル 30本入箱

アミノバイタル 30本入箱

これ1回量に入ってるロイシンは460mg。

夫が飲んでるBCAAのサプリを見たら、

ON BCAA 1000 200粒カプセル 海外直送品

ON BCAA 1000 200粒カプセル 海外直送品

こっちは1回量あたり500mg。あんまり変わらない。

飲んでるプロテイン、は明記されてないのが多いから原料になる食品のデータを 食品成分データベース から引っ張ってきて前回と同じように比較すると、

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これの「Leu」がロイシンね。最低がえんどう豆の7.48%、最高が牛乳の9.46%(重量)。だから、プロテイン1回量に含まれるタンパク質が25gとすると、 えんどう豆(ピープロテイン)で1,870mg、牛乳(ホエイプロテイン)で2,364mg。 こう見ると運動前や運動中に速攻で効かせたいって言う場合にはBCAAのサプリとかが良いんだろうけど(吸収が早いだろうから)、量を取りたいと思ったらプロテイン飲む方に分がありそう。多少は消化の段階でロスが出るんだろうけど、にしても4、5分の一にはならなそうだし。長時間効きそうだし。

で、プロテインだけじゃなくて食品でも意識して摂れたらいいよねと思って、どんなのがいいかも調べてみた。 便利なことに食品成分データベースには「食品成分ランキング」って言うページがあって、

食品成分ランキング

ここで成分に「ロイシン」、表示順位「100位まで」とか選んで「選択」を押すと登録されている全ての食品のうち100gあたりのロイシン含有量が多い食品上位100がすぐ出てくる。 で、Googleで[ロイシン 多い 食品]とか検索するとこれの上位をそのままコピペして「この食品を摂りましょう!」とか書いてあるのが出てきたりするんだけど、 これが実は全然ダメで、1位「カゼイン」、2位「かずのこ(乾)」、3位「乾燥卵白」とかなんだよね。 ロイシンが多いから積極的に摂るべき食物って言うより、ただのタンパク質含有量の多い乾物orプロテイン抽出物リストになってる。

で、実際問題として食事の材料に使えて多く摂取できるものをピックアップしようと思って、

  • 100gあたりのロイシン含有量が2000mg以上
  • 100gあたり20g以上の水分を含む(乾物を除外)
  • 100gあたりのナトリウム含有量が500mg未満(塩分が多すぎて多量摂取できない食品を除外)

ていう条件で絞り込んだ実用的な「ロイシンを多く含む食品リスト」がこちらです(可食部100gあたりで計算)。※この記事の末尾にテキストベタ張りで書いておいたので、読みにくかったらそちらでどうぞ。

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当たり前だけど、プロテインを多く含む食品として普段から筋トレマニアたちが食べてるような食品リストになった。 まあそりゃそうだわな。

てことで、ざっくり言うと赤みのお肉や魚を食べると、それ自体が筋肉を増やしたり筋肉減少を抑える効果がありそうってことですね。みんなー、肉と魚を食べようー。



[追記]補足だけど、「可食部100gあたり」なので、当然その可食部にタンパク質以外の部分が含まれるほど数値は下がります。つまり、「鶏皮なし胸肉」100gと「鶏皮付き胸肉」100gとを比べると「鶏皮付き胸肉」の方が皮の重量の分、肉部分が少なくて不利だし、「豚ヒレ/焼き」と「豚ヒレ/とんかつ」だと衣とかの分だけとんかつが不利なので、別に「皮付きで食べると鶏肉のロイシンが減る」「とんかつにするとロイシンが減る」みたいな話では無いです。あと牛肉が輸入牛>乳用牛>和牛とかなのは、どれが一番サシが入っているか(日本ではサシが入った肉が好まれるのでそういう品種の肉牛を多く育てている)が表現されてるだけだと思います。そんな感じなので、肉や魚からタンパク質を取ろうー以上のことは言っていないです。


[追記]グラフの字が小さくなっちゃったので、テキストでベタ張りしておきます。

<ロイシン含有量の多い食品リスト>

食品成分 可食部100gあたりロイシン含有量(mg)

肉類/ぶた/[大型種肉]/ヒレ、赤肉、焼き 3200

肉類/にわとり/[若鶏肉]/むね、皮なし、焼き 3100

魚介類/(かつお類)/加工品/なまり節 2800

魚介類/にしん/かずのこ/生 2800

肉類/にわとり/[若鶏肉]/むね、皮つき、焼き 2700

肉類/うし/[輸入牛肉]/もも、皮下脂肪なし、ゆで 2600

肉類/ぶた/[大型種肉]/もも/皮下脂肪なし、焼き 2500

肉類/めんよう/[マトン]/ロース、脂身つき、焼き 2500

肉類/うし/[乳用肥育牛肉]/もも/皮下脂肪なし、ゆで 2400

肉類/ぶた/[大型種肉]/もも/皮下脂肪なし、ゆで 2400

肉類/にわとり/[若鶏肉]/もも/皮つき、焼き 2400

肉類/うし/[乳用肥育牛肉]/ヒレ、赤肉、焼き 2400

肉類/めんよう/[ラム]/もも、脂身つき、焼き 2400

豆類/だいず/[豆腐・油揚げ類]/油揚げ/油抜き、焼き 2300

魚介類/(あじ類)/むろあじ/焼き 2300

魚介類/(さば類)/ごまさば/焼き 2300

肉類/うし/[和牛肉]/もも、皮下脂肪なし、焼き 2300

魚介類/(かつお類)/加工品/なまり 2200

魚介類/(さけ・ます類)/からふとます/焼き 2200

魚介類/(さけ・ます類)/さくらます/焼き 2200

魚介類/(さけ・ます類)/しろさけ/焼き 2200

魚介類/(さけ・ます類)/べにざけ/焼き 2200

肉類/うし/[乳用肥育牛肉]/もも/皮下脂肪なし、焼き 2200

肉類/うし/[和牛肉]/もも、皮下脂肪なし、ゆで 2200

肉類/うし/[交雑牛肉]/もも、皮下脂肪なし、ゆで 2200

肉類/うし/[輸入牛肉]/リブロース、脂身つき、ゆで 2200

肉類/うし/[輸入牛肉]/もも、皮下脂肪なし、焼き 2200

豆類/だいず/[豆腐・油揚げ類]/油揚げ/生 2100

魚介類/(さけ・ます類)/ますのすけ/焼き 2100

魚介類/(あじ類)/まるあじ/焼き 2100

魚介類/(かじき類)/めかじき/焼き 2100

肉類/ぶた/[大型種肉]/ロース/脂身つき、焼き 2100

肉類/うし/[ひき肉]/焼き 2100

肉類/ぶた/[大型種肉]/ヒレ、赤肉、とんかつ 2100

肉類/にわとり/[ひき肉]/焼き 2100