プロテインDIY日記

プロテインをおいしく飲むことに執念を燃やしているブログです。

HMBに関するフェアな話

最近かなり広告をみる筋トレ系のサプリメント、HMB。今日はこれっていいの?ということについて書こうと思うよ。

はじめに言うけど、結論は「HMB買うべし」じゃないです。


HMBってなに?

  • ロイシン(必須アミノ酸の1つ)の代謝物(ロイシンを元にして体内で作られる、ちょっと形を変えた物質)の1つ
  • 正式な名前はβ‐ヒドロキシ‐β‐メチル酪酸(β-hydroxy-β-methylbutyrate)

だよ。

HMBは何がいいとされてるの?

たぶん、このブログに辿り着く前にHMBについて知ってた人がサプリメントメーカーやステマ系ブログで見た情報ってこんな感じだよね。

  • 筋肉を増やすスーパーサプリメント
  • 体内でロイシンを元に作られるが、HMBになるのはロイシンのたったの5%!
  • ロイシンがHMBになることで筋肉の合成が促進されるから、ロイシンを飲むより20倍も効率がいい!
  • あの○○や△△も飲んでる!

で、それってどうなのっていうことについて書いていこうと思うよ。

HMBを売ってる人たちが伝えない事実

全般的にとても恣意的に、HMBがすごく見える情報が選択されて提供されていると思うので、そこで選択されなかった「HMBそんなすごくなくない?」という見え方の情報を淡々と書くよ。

まず筋肉を増やすということについて。これは増えるには増えるんだけど、

1.「ロイシンとHMBを比べたらロイシン(+110%)の方がHMB(+70%)より筋肉を増やした」という論文があるよ www.ncbi.nlm.nih.gov

2.「アスリートにHMBを飲ませて筋トレさせたら、HMB飲ませない場合と比べて結果が変わらなかった」という論文があるよ www.ncbi.nlm.nih.gov

で、その上で、1の方を含めて筋肉の分解を防ぐ効果はあるかもって言われてるんだけど、それがサプリとして効果を検証されてるのは病気(エイズとかがんとかその他寝たきり)で衰弱して危険な水準まで筋肉が落ちた人や筋肉のない高齢者に対してで、高齢でない健常者に対しては調べた感じではちゃんと検証されてないよ。

そもそもHMBを飲んで筋肉の生成が20倍になるなんてことが起こるなら、細胞内の調節機構がどこかぶっ壊れて他のところにガタがくると思うんだけど、歴史が浅いサプリながら「副作用はない」とされてるのは逆に効果がないってことじゃないかな。言うような効果があるなら医師の処方せんがないと手に入らないようになるよね。

壺を買う程度の意味で飲むならいいのでは

どうしてもトレーニングをショートカットしたくなったり、なかなか効果の出ない時期がきて焦ったり、何かに頼りたくなったりする気持ちはわかる。わかるから、あんまりHMBを飲んでる人に「それ意味ないですよ」と言おうと思わないんだけど、でもサプリの売り手側の情報の出し方がちょっとずるいなーと思うので書いたよ。

実際、日本でもかなり大手のサプリメントメーカー(どことは言わないけど)が作ってるHMB入りプロテインの説明ページでは、論文を引用しながら、すごーくそれっぽく、科学的な裏付けがあるように書いてあるけど、不都合な情報だけ一方的に取り除いて情報を切り貼りして、誤解に誘導するのって全然フェアじゃないよね。

「これがあればきっと大丈夫」という気持ちの拠り所にすることは否定しないけど、でも少なくとも拠り所を求めてない人がサプリを選ぶときには、フェアな情報との接点があった方がいいと思う。

じゃあ結局何を飲めばいいの?

肉を食え。


もうちょっと丁寧にいうと、バランスのとれた食事をしながら十分にたんぱく質をとり、食事だけで不足のあるときはプロテインで補い、運動前・運動中はBCAA入り飲料で補水する、くらいのオーソドックスなことを大事にして、ショートカットを望まずにコツコツとトレーニングに向き合うのがいいのではないでしょうか。

もちろん、みんな大好きロイシン(ロイシンで検索してこのブログにくる人結構多い)は肉や魚などからとれるたんぱく質の中にもたっぷり含まれてるし、プロテインの中にも、BCAAの中にも含まれてるよ。

前にこっちの記事で書いたけど、たとえば豚ヒレ肉100gには3200mg、鶏肉むね肉(皮なし)には100gあたり3100mg含まれています。

oishiku-protein.hatenablog.com

なんで次から次に変なサプリメント出てくるの?

単純に、サプリメント屋さんが売上を伸ばすには単価と顧客数のどっちかを伸ばすしかなくて、単価を上げるためにプロテイン以外にもサプリを多く飲ませたいからだと思ってる。プロテインにサプリを足したりするのもプロテインの単価を高めるためにやってるんだろうし。一消費者としてはそれよりもっと、トレーニング人口を増やすことに力を入れたらいいと思ったりもする。

ただ、変てこサプリメントを売ってるサプリメント屋さんがすなわち悪かというとそこは難しいと思っていて、他社が軒並み「このサプリメント最高!画期的!」ってプロモーションしたら自社もその商品持っとかないと「最新のサプリメントに疎い会社」と扱われたり、プロテイン等と一緒に買えないからと丸ごと乗り換えられたりするんだろうし、ラインナップに加えざるを得ないところもありそう。消費者としては、ただただ、牛乳からチーズ作る時に出た大量の排水を濃縮して粉にして売ってくれればそれでいいんだけど…(ホエイのことです)。

そんな訳で、わたしはHMB最高!とは思ってないし、HMB最高!とか、クレアチンやアルギニンとライン使いするべき!とか言ってるメーカーはちょっとどうかと思ってます。以上です。