プロテイン・サプリ等に関する情報の途中ロストと、このブログができること
「おいしくプロテインを飲みたい」ことについてだけふんわり書くつもりでブログを始めたのに、2週間くらい経って振り返るとだいぶそれ以外のこと(プロテインの安全性の評価とか)を書くことが多くて、自分は何を書きたいのかなというのを振り返ったので書いておく。
ちゃんと根拠のある情報が欲しい
健康・美容まわりの分野の、根拠のよく分からない情報が氾濫している状況がわたしはきらいで、目についたところから1個ずつ、はっきりさせていきたいのだと思う。
どうして健康・美容まわりの分野で不確かな情報が多いのか
これは自分の中では明確で、「売る人」が「十分な科学的知識を持っていない」ことが多いからだと思う。 なぜ多いかというと、構造的に「別のことの専門家」が「売る人」になることが多いからだと思っている。 (もちろん、マーケットがでかいからズブの素人や悪意ある企業が参入して来やすいっていうのもあると思う。)
「別のことの専門家」が「売る人」になる例:美容師と施術用薬剤
たとえば美容院でカラー、パーマ等の施術を受ける場合、化学的性質の異なるいくつかのカラー液・パーマ液から選んで施術することになる。消費者は「○○パーマ」(○○には「3D」とか「アクア」とか「デジタル」とか「ミネラル」とかが入る)等の商品名と、商品説明(「髪が全然痛まない」「長持ちで選ぶならこれ」「天然成分配合で優しい」とか)と、値段で選ぶことになる。商品をおすすめしたり、消費者の質問に答えて選択を助けたりする「売る人」は美容師だけれど、美容師は一般に化学や生化学の専門家ではなく、美容の専門家である。だから「天然成分配合で優しい」とメーカーに言われたらそれをそのまま消費者に伝えるしかない。唯一できることは、自分で使ってみて「優しい」と感じるか「優しくない」と感じるかを感覚的に判断することだけだ。
逆にいうと、化学や生化学の専門家を有してきちんと商品開発しているメーカーの側も、美容院に卸す時点で「美容師に伝わる言葉」でしか商品説明できない。そしてそこに科学的根拠は含まれない。科学的根拠が除外されるということは、元々何の科学的根拠も持たない商品も全く同列に扱われることになる。それが不確かな商品と不確かな情報の氾濫を引き起こす。
これはたとえば、医療の分野で製薬会社のMRが医師に自社の薬剤の説明をして、それを受けた医師が患者に薬剤を処方するプロセスとは全く異なる。医師に科学的根拠を理解する力があるから、製薬会社はMRを介して医師に科学的根拠を提示するし、患者は科学的根拠を元に医師に薬剤を選んでもらうことができる*1。
プロテイン等のフィットネス系サプリメントの場合
プロテインを販売しているメーカーの多くがボディビルディングのコンテスト出場者やフィットネスモデル(=筋トレのプロ)のスポンサーになり、商品提供をし、彼ら筋トレのプロを広告塔にして商品販売をしている。だから先の例での美容師に対応する「売る人」は彼ら筋トレのプロだ*2。
美容師の一般的なキャリアパスが化学や生化学の高等教育を経ないのと同じように、筋トレのプロの一般的なキャリアパスも栄養学や生物学の高等教育を経ない。だから筋トレのプロはメーカー側に「これは筋肉の回復にすごく効く」と言われたらそのまま消費者に「これは筋肉の回復にすごく効く」と言うしかないし、唯一できる検証方法は自分が使ってみて「筋肉の回復にすごく効く」と感じたかどうかだ。そしてそこには当然プラセボもはたらくだろうし、そもそも収入源の多くをメーカーに依存していたら「効かなかった」と消費者に伝えることは難しい。
そしてやはり、栄養学や生物学の専門家を有してきちんと商品開発しているメーカーの側も、筋トレのプロを介す時点で「筋トレのプロに伝わる言葉」でしか商品説明ができないし、そこで科学的根拠に関する情報が失われる。そうして科学的根拠に欠ける商品と同じ土俵で戦うことになり、不確かな商品と不確かな情報の氾濫が起こる。
理想的な状態は科学的根拠を理解できる人が通訳をすること
わたしは全ての美容師や筋トレのプロが関連する学問の高度な知識を身につけるべきとは決して思っていなくて(そんなのは無理だ)、メーカーと消費者の間に別の第三者、科学的根拠を理解してきちんと伝えられる「通訳」がいることが理想だと思っている。
具体的には美容師の中に1人でも2人でも、大学や大学院で化学等を専攻した人という「通訳ができるレアな経歴の人」がもし居たら、その人が「このプロダクトにはこんな特徴があるよ」と科学的根拠を添えて情報発信することにはとても価値があると思うし、あるいは公平な第三者機関が同じ条件で各商品を分析・評価してわかりやすい選択基準を提供してくれることは意義深いものだと思う。そういう「通訳」が存在することで科学的根拠を伴う選択基準が消費者に提供され、科学的根拠を持たない商品や不確かな情報の氾濫が抑制されるはずだ。
じゃあプロテイン等のフィットネス系サプリメントで誰がその「通訳」かというと、わたしは大学や大学院で科学的な教育を受けた筋トレのプロを知らない。これは「いない」のではなく、多くのそうでない筋トレのプロの声が溢れている中で、見つかりにくく、見つけられていないのだと思う。また、LabDoorが公平な第三者機関ではないかと思って期待したこともあるけれど、期待はずれだった*3のでちゃんと「通訳」になってくれる第三者機関も知らない。
自分がプロテイン等のフィットネス系サプリに対してできること
わたしはこれを書いている日付時点で、「筋トレやプロテイン摂取を始めて1年未満の」「大学院で生物系の修士号をとった」「女性」だ。トレーニングに関してはまだまだ素人である反面、一般的な水準より「プロテインとは」「アミノ酸とは」といった知識があるし、栄養学の専門家ではないけれど、科学的根拠に基づいて考えるとはどういうことかという教育を受けている。そして女性なので、女性が日常的にどんな健康・美容に関する情報(根拠のあるもの・無いもの双方)に曝されているかを知っている。
わたしのこれらの属性が「通訳」に十分だとは全く思っていないけれど(本当は筋トレのプロで博士号持っている人とかが情報発信したら最高なはずだ)、ちゃんとした「通訳」が見つからない状況下で
- 自分ができる範囲で「通訳」を行うこと
- ちゃんとした「通訳」を探して、それが見つかったらその存在を広めること
- ちゃんとした「通訳」ぶっているけど実際はそうでないもの(LabDoorとか)を見つけたらそれも広めること
の3つはわたしができることで、きっと意義のあることなんだと思う。少なくとも自分が商品を選択するときに役に立つので、自分のためにはなる。
このブログでやろうと思うこと
・・・ということで、最初に考えた「おいしくプロテインを飲みたい」ことと、上記の3つを合わせた4つをテーマにして書いていこうと思う。とりあえず書いていこうと思っているだけだし、ただの趣味なので、気が変わるかもしれないけども。
P.S. なんだか硬い話になってしまったので、明日はホエイプロテインに桃シロップを入れるとピンク色になってかわいいしおいしいっていう話を上げます。たぶん。
*1:もちろん、そうではないMR・医師もいるから接待が問題として取り上げられたりするんだろうけど、少なくともメインストリームはちゃんとやっている医師とMRであると思う。
*2:筋トレのプロがサイトやブログ、SNS上でアフィリエイトプログラム等で商品を販売するケース、雑誌の記事等の広告で消費者に勧めるケース、ジムを開いたりパーソナルトレーニングを行いその顧客に販売するケースなどがある。メーカーやドラッグストアから直接購入されることも多いが、その際も多くの場合、商品選択には筋トレのプロが発信した情報や彼らを使った広告が参考にされていると考えている。
LabDoor(プロテインTOP10ランキング)の安全性評価があやしい
こっちの記事の中でLabDoorというサイトがプロテインに重金属等が含まれるかどうかをテストしてくれてるよというのを紹介したんだけど、
oishiku-protein.hatenablog.com
これ、やっぱりあてにならないなと思い直したので書いておく。
1. 重金属の検出限界が高すぎる
これ↓はわたしが飲んでいるマイプロテインのノンフレーバーのやつに関するLabDoorのリポートをキャプチャで引用するんだけど、
わたしはこの、
This product passed all heavy metals assays, with levels of compounds like arsenic, lead, and cadmium all below 1.0PPM (parts per million).
っていう文言を見て、あー重金属は入ってないんですねーいいですねーって思っちゃったんだけど、ちょっと待って、below than 1.0PPM ?
1.0PPM = 1μg/g*1でしょ、てことはプロテイン1scoopが30gなら30μg以下ならPASSするってことだ。これはつまり前の記事でわたしが泣く泣く諦めたSunfoodの植物性プロテインの5倍くらいまでセーフだし、都民が1日に食事からとる量*2の3倍弱までセーフだということになる。いやそれおかしいくない?
で、LabDoorにメールで質問してみようかと思ったんだけど、検索したら同じ内容を reddit 上で指摘している人がいて、
「"below than 1.0PPM"って何も意味なくない?」って言っている人に対して、LabDoorのアカウント*3がつけた回答がこれ↓ (さらに下で訳してるので面倒な人はスクロールして↓)
ざっくりまとめると、
- 現行のプロテインランキングを作成した2014年当時は検出限界が1.0PPMの方式で試験していて、それで検知されたかされなかったかのデータしか持っていない。なので1.0PPM以上かどうかを安全の基準とした。
- 再調査して新しいプロテインランキングを作成する予定で、そこでは検出限界が1.0PPB=0.001PPMの検査方式を採用する予定。その上で、安全とするレベルは以下にする予定
- 新しいプロテインランキングは今年の終わりまでに発表できればと思う(当該ポストの日付は2015年9月)
- 重金属の再テストをするにはLabDoorが検査してきた全てのプロダクト×約$300のコストがかかるので、必要性は認識しているが大変なこと
とのこと。もし新しい基準での再検査が実現されれば、1scoopが30gとして、1scoop中の量が0.03μgから検出できて、鉛でいうと3μg以下ならPASSという基準になるってことっぽい。現在よりだいぶ実用的な基準にはなりそう。
同じく前の記事で紹介したConsumer Reportsの方↓は、
3回分の量のうちの含有量で示していて(プロテインは1日3回くらい摂取する人もいるから正しいよね)、鉛でいうとリストされてる中で一番少ない量で検出されているのが0.2μg/3回量。検出されていないホエイプロテインも多くリストされている。
比べて見ると「3μg以下ならPASS」みたいなPASS or NOTだけじゃなくて、検出量を書いてくれた方が断然参考になりそう。まあ、これについては期待して待つしかない。言えるのは2014年公開の現行版ランキングにおける重金属含有の有無はほぼ全く参考にならないぞっていうことだけ。
※LabDoorはあてにならなかったけど、Consumer Reportsの方から「ホエイプロテインには必ずしも重金属は含まれない」ことがわかるので前回の記事の結論に変わりはないです。
2. フレーバー間の違いを考慮していない
LabDoorのランキングの1位と3位はマイプロテインのホエイなんだけど、
これを見ると1位の安全性(Ingredient Safety)の得点が100点、3位が98点。検査されたプロテインの平均が61点。1位と3位の2点の差がどこから来ているかはわからないので置いて置くとして、この得点が低いプロテインを見てみると、
例えばこれ、Dymatize ISO-100 っていうプロテイン↓
これは72点。で、なんで点が低いのっていうの説明部分をキャプチャで引用すると、
甘味料としてスクラロースが入ってるから。でも、スクラロースは安全性の高い甘味料だと書いてある。
でもね、実は1位と3位のマイプロテインのプロダクトもフレーバーつきのものはスクラロースが入っている。
分離ホエイプロテイン(アイソレート)のご購入| Myprotein.jpより引用
マイプロテイン、味ごとに香料、色素、甘味料とかを何を使っているかちゃんと一覧できるようにしてくれてるので、甘味料として全てのフレーバーつきのプロテインにスクラロースが添加されていることが確認できる。
だからマイプロテインのプロダクトとこのDymatize ISO-100を比較したら、マイプロテインの方がフレーバーつきだったら、安全性の得点は両者同じになるべきとわたしは思う。他に違いが書かれてないんだし。
でもLabDoorはそもそも何味を測定したかも書いてないし、しかも1位や3位のマイプロテインのプロダクトの詳細画面に行くと、”BUY FROM LABDOOR”とか言ってフレーバー付きのプロダクト売ってくる。
Myprotein Impact Whey Isolate Review - Labdoor
これは無いわーと思ったら reddit 上に全く同じことを言っている人がいて、
それに対するLabDoorの回答がこれ↓
ざっくりまとめると、
- LabDoorが調査したマイプロテインのプロダクトはノンフレーバーで、フレーバー付きのものにはスクラロースが含まれていることは認識している
- 将来的には全てのプロテインの全てのフレーバーを調査したいが今は無理
いやこれダメでしょ
このランキング、もう科学的でもなんでもないじゃん。 だってノンフレーバーがラインナップにあるだけで全フレーバー含めて高得点になって(少なくとも高得点に見えるようになって)、フレーバーつきは医学的にほぼリスクのない(と少なくともLabDoorが言っている)スクラロースが入ってるだけで30点近く減点なんでしょ?で、医学的にリスクの認識されている重金属については意味のない検出水準でテストして「問題ない」としてるわけでしょ?それはちょっと厳しいよ。
目指してることろの趣旨には賛同するし、応援したいけど、今の段階でLabDoorのランキングが信頼性のおけるものだとも科学的だとも思わないです。きっと中の人たちがevilだってことじゃなくて、スタートアップのつらみなんだろうとは思うけど*4。まあ、大変なんだろうなあ。頑張って欲しい。
*2:http://oishiku-protein.hatenablog.com/entry/2017/06/26/063000
*3:なりすましじゃないと思うけどreddit詳しくないので確認はできていない。
*4:ここ https://angel.co/labdoor を見ると医療情報の扱いで話題になったDeNAとかも出資してるのがわかる。100%勝手な想像なんだけど、もし自分がちゃんと科学的な価値ある情報を提供したいと思ってビジネスを立ち上げて、出資者(エンジェル)から「科学的でなくてもいいから科学的に見せて、とにかく早く売り上げを立てろ」みたいなことを言われたら辛すぎて胃に穴が開くだろうなーとか思った。
Sunfoodのプロテインおよび植物性プロテイン全般の安全性について
今日はこのブログで使っている2つのプロテインのうち1つ、Sunfoodのプロテインの安全性ついて。
長いので先に書くと、「有害とは言わないし、Sunfoodが悪いとも思わないけど、わたしはやめとこうかな」「今後はホエイだけに絞って味の研究をしていく」が結論です。
さてこれまでの経緯から。以前の記事、
oishiku-protein.hatenablog.com
これで書いたようにわたしはSunfoodのライス&ピープロテインがおいしくて好きなんだけど、ボトルに書いてある
“WARNING: This product contains a chemical known to the state of California to cause birth defects or other reproductive harm.“(訳「注意:この商品は出生異常またはその他の生殖に関する危害を引き起こすとカリフォルニア州で認められている化学物質を含みます」)
という文言が怖くて飲むのをやめようかなと思ってた。
で、代わりに、そういう怖いこと書いてないし、安いしということでマイプロテインで売っているライスプロテインとピープロテインを買って、Sunfoodと同じ分量で配合してみればいいじゃんとトライしたのがこっちの記事↓。
oishiku-protein.hatenablog.com
めっちゃまずかった。大敗北。
で、それらを受けて、じゃあSunfoodのプロテインの危険性についてきちんと調べてみようじゃないか、それで納得がいく水準(問題ないと思えるレベル)だったらSunfoodを飲めばいいし、ダメだったらまた考えよう、というのが今回の記事です。
Sunfoodに聞いてみる
まず正面からSunfoodのカスタマーサービス*1に「何がどれくらい入ってるんですか」という趣旨のメールを送ってみた。
「カリフォルニアの制度が悪いだけで危険はないよ」
夜にメールを送ったら翌朝にはちょっとテンプレっぽいけど丁寧な返信がきていて、ちゃんとした会社なんだと思った。あとそもそも、よく聞かれる質問なんだろうな。
メール本文と、メール内でリンクを案内してもらった説明ページの内容を抜粋してまとめるとこんな感じ:
- カリフォルニアの州法(California Prop 65)が悪い
- 健康被害が起こる水準より極めて低い水準で"WARNING"のメッセージを記載しなければならず記載しているが、実際には十分に安全な商品。
- 具体的には、1日1回、70年間摂取した人10万人のうち1人に健康被害が起こる可能性のある商品について記載が義務付けられている。(”The law states that if a person consumes a single serving of a product every day over a 70 year lifespan and if 1 in 100,000 persons can develop one of the possible health issues, the product must be labeled in California. This is not required in any other state or country.”)
- こんな基準を採用している州も国も他にはないし、California Prop 65(この記載義務についての法律)がおかしい。
- Sunfoodの食品はWHOやFDAの基準は当然にクリアしている。
- 対象の物質は植物に自然に含まれるもので、植物原料の食品に入っているのは普通のこと
とのこと。ちなみにSunfoodはカリフォルニアの会社でした。
尚、メールで紹介されてた説明ページはこの2つです。↓
て、言ってるんだけど、どう思う?
ここからは個人の受け取り方の話なので、わたしはこう考えたよという話になるよ。
確かにCalifornia Prop 65は厳しすぎるのかも
これはSunfoodのCalifornia Prop 65の説明ページから引用したグラフなんだけど、
鉛について、上から順に
- WHO/EUの定める1日の摂取上限
- FDAの定める1日の摂取上限
- California Prop 65が記載を義務付ける下限値
- Sunfoodのプロダクト(プロテイン)1杯に含まれる量
- Sunfoodのプロダクト(カカオパウダー)1杯に含まれる量
を比較していて、まあこれを見る限り「こんな少ない量で”WARNING”表示を義務付けてるのが変だよね」っていうSunfoodの主張は理解できる*2。
ちなみに単位の「MCG」はmicro gram 、つまりμgのことです*3。
結局どの程度含まれていて、どの程度影響するの?
同じページの別の表をもう一つ引用すると、
Sunfoodのプロテイン1回量に含まれる鉛の量は6-7μgくらいに見える。でも、これが多いのか少ないのかはWHOやFDAの基準値のデータソースがわかんなかったのもあって、よくわからないなあと思った*4。先のグラフから見た感じではFDAの基準値は75μgくらいに見えるし、そしたら1割弱をプロテインから摂取することが有りなのか無しなのか、ちょっと判断が難しい。だって人間はプロテイン以外の食事も摂るのだし、Sunfood自身が言っているように野菜や他の食品からも鉛を摂取しているのだし。
自分が普段の食事で取っている(と思われる)量と比べてみる
摂取の上限値を調べてもよく分からなかったのもあって、代わりに「自分はどれくらい鉛等を摂取しているのか」を調べて、そこと比較してみようと思った。
で、引っ張ってきたデータがこれ。
食事由来の化学物質等摂取量推計調査結果(各年) 東京都福祉保健局
これは東京都福祉保健局が実施している、「都民の食事を介した化学物質等の一日摂取量」の調査で、マーケットバスケット方式*5で行われている。 これのH26年度版を見ると、都民は推定で1日に鉛を 0.18μg/kg・bw 摂取していて、体重60kgの人として計算すると10.8μgになる。
え、都民の普通の食事で10.8μg/日なのに、Sunfoodのプロテインを1回量飲むと6-7μgなの!?それはちょっと多いのでは。
で、Sunfoodのプロテインを飲み続ける?
わたしは別に、Sunfoodのプロダクトが特に重金属に汚染されているとかは思っていなくて、おそらく、ちゃんと育てられたちゃんとした植物原料を使っているんだろうと受け止めてるんだけど、でも植物を濃縮して作る植物性のプロテインの必然として*6、それを飲むならば鉛の場合で推計1.7倍くらいの量を摂取することを許容しないといけないということだと思った*7。鉛以外の重金属についても同じように摂取量が増える可能性がある。
あとはそれを自分が許容するかどうかで、個人的には、おいしさの代わりに取るリスクとしては見合わないのかなと思った。もしわたしがビーガンとかベジタリアンだったら飲む…のかなあ?そもそもビーガン、ベジタリアンの人は食物からの重金属の摂取量が多そうで大変そう。
付け加えるとこれって植物性プロテインは全部それなりに重金属を含まざるを得ないねって話だと思っているので、マイプロテインの植物性プロテインなら良くてSunfoodのならダメって言う話ではないと思う。
じゃあ、ホエイプロテインならいいの?
植物性の原料に重金属が含まれる、と分かった後に気になったのは「じゃあホエイはどうなの?」と言うことで、重金属が含まれる飼料(植物)を牛が食べることで牛の乳から作るホエイプロテインにも同じように重金属が含まれるの?というのが気になった。*8
最初に思ったのはこういう専門の機関に持ち込んで検査してもらえば納得では?ってことなんだけど、それなりにお金かかっちゃうからパス。
で、個人で持ち込まなくても持ち込んでる人・組織がすでにいるのでは、と思って調べたら、各社のプロテインを分析してる組織が2つ見つかって、 1つ目がこれ、LabDoorで、これは営利企業。
各社のプロテインを自社で成分分析して、
- Label Accuracy
- Product Purity
- Nutritional Value
- Ingredient Safety
- Projected Efficacy
の5項目でスコアをつけてTOP10を発表している。このIngredient Safety(成分の安全性)の項に重金属の有無が含まれている。
もう1つがConsumer Reports、こっちはNPO。
で、どっちも見て分かったのは、ホエイプロテインにおいて「重金属が含まれ有害である」と言われる商品は「製造段階で混入している」商品のようで、どうやら「牛乳から乳清をとって濃縮したら必ず重金属が含まれるよ」ということでは無いみたいだった。朗報!
ていうことで、これからはホエイプロテイン1本に絞って味の研究をしていこうと思います。 Sunfoodのライス&ピープロテインでまだ書いてない味研究の成果がたくさんあって、これ切るのはとても悲しいんだけども(チョコとかはちみつとかメイプルシロップとか)。
リスクを取るかどうかは個人の判断なので、飲む人も飲まない人もいていいと思っていて、「すごいおいしいよ」というのだけは最後に書いておきます。
*1:サイトって本国のこれね http://www.sunfood.com/ Sunfoodで検索すると日本の代理店のサイト http://sunfoodsuperfoods.jp/ も出てくるけど、そっちではない。
*2:この表を信頼するならば、という前提で。WHOやFDAの数値の出典が書いていなかったので探してみたけど、わたしの探し方が悪かったのか合致するような数値を規定するドキュメントは見つけられなかった。あとこれ→ https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3834422/ とかを見るとWHOは摂取上限量を1日あたり(acceptable daily intake, ADI)とか週あたり(provisional tolerable weekly intake, PTWI)で決めてるんだけど、ADIにしろPTWIにしろ単位が[μg/kg bw]で、"体重1kgあたり"の数値が規定されているので、"体重は50kgとして計算しました"みたいなことが記載されるべきだと思う。
*3:https://en.wikipedia.org/wiki/Microgram
*4:2つ上の補足と同じ
*5:http://www.weblio.jp/content/マーケットバスケット方式
*6:Sunfoodの言う通り、例えば鉛は世界中の水や土壌や大気中等に存在する。これとかでも書いてある→ https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3834422/
*7:食事からの摂取量が1.7倍になることが、健康を損なうことと等しいこととは思っていないけれど、どれだけ摂取していいかわからないままに1.7倍を受け入れるのは心情的に厳しいと思う。都のレポートの方にも鉛の許容量は書いていなかった。
*8:特に重金属だけを気にしているというのではなくて、もともとプロテインっていうのが濃縮された食品、かつ毎日のように・長期間摂取するものなので、危険性はきちんと評価したいなーと思っている。
Tips-電動プロテイン混ぜ器
今日はプロテインの混ぜ方の話です。 「シェイカー振ってプロテイン飲むみたいな男臭いマッチョなことしたくない」という女性や、「もう21世紀なのに手動で歯を磨くのありえなくない?」とか言って電動歯ブラシを使ってるような効率・ガジェット好きな男性にぜひ読んで欲しい。
さて、いつもグラスに入ったプロテインの写真を上げているのでお気付きの方もいるかもしれないけど、わたしはプロテインを混ぜる際にシェイカーを使っていません。 シェイカーって何?っていうビギナーのみなさんに説明すると、こういうやつ↓ね(ちなみにこれ夫の使ってるやつ)
ブレンダーボトル 【日本正規品】 Blender Bottle Classic w/Loop 20オンス (600ml) Clear ブラック BBCLE20 BK
- 出版社/メーカー: エクスパンド (EXPAND)
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プラスチックの容器部分と、ふたと、金属のコイルでできた球体の3つでできている。 これにプロテインと水または牛乳を入れて、ガシャガシャ振るとプロテインが溶けるよってやつです。
それに対してわたしがやっている方法がこちら↓
グラスに無脂肪乳を入れてー*1
プロテインをすりきり1杯測ってー
入りました
そこでこの電動プロテイン混ぜ器でブイーンと
ブイーン
できあがり!
電動プロテイン混ぜ器、というのは我が家での名称で、世の中的には「ミルクフォーマー」です。
うちで使ってた初代はこちら↓
www.ikea.com
IKEAに行った時に、激安*2だったから買ったけど1回使ったら飽きてずっと眠ってたもの。数年後に「あ!あれでプロテイン混ぜたら楽じゃない?!」と日の目を見て、一躍食卓のレギュラーになった。
で、上記をしばらく使ってたら劣化した(軸が歪んでブレるようになった)ので買い換えた2代目がこちら↓
HARIO (ハリオ) ミルク 泡立て器 クリーマーゼット CZ-1
- 出版社/メーカー: ハリオ
- メディア: ホーム&キッチン
- 購入: 2人 クリック: 7回
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と、スペアに買った軸↓
HARIO (ハリオ) ミルク 泡立て器 クリーマー・キュート クリーマー・ゼット用 CQT-45 シャフト 交換 パーツ SH-CQT
- 出版社/メーカー: HARIO
- メディア: ホーム&キッチン
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ミルクフォーマーは色々あるけど、交換用の軸を売ってたのは多分これだけだったので選んだ。軸が変えられる=軸が外せるっていうことなので、手洗いで汚れが取れてないと感じる時は外して食洗機に放り込める*3。あと、軸が歪んだからもう使えないということがなくて良い。
軸が歪むとプロテインを混ぜる時に水面が大きく波打って溢れやすくなるので、軸歪み問題は大事。ただ、今書いてて思ったけどこのハリオの軸よりイケアの本体の方が安いので、ハリオの軸を交換するよりイケアでのやつを本体ごと交換しながら使う方が安いかもしれない。でも軸の部分の強度はハリオの方が強そうなので、それを考えるとトータルでどっちが安いかよくわからない。あと、ハリオについている専用スタンドは便利。
どちらにせよ毎日使っていると電池の消耗が早いので、エネループで充電して使っている。
ミルクフォーマー(a.k.a.電動プロテイン混ぜ器)のいいところ
楽ができる
まず溶かすのが楽。あと、洗い物が劇的に減る。シェイカーはパーツ3つもあるし容器部分がでかいしで食洗機の中で結構場所を取るんだけど、ミルクフォーマーの場合は軸を手洗いして、手頃なサイズのグラス1個を食洗機に入れたら終わり。軸の手洗いもスポンジで軽く優しく洗って、手に流水を溜めながら軽く「ブイーン」としてすすいで、水から離して「ブイーン」とすると水が切れる、という感じで一瞬。
雰囲気がいい
個人的に、シェイカーに入れて振るっていう作法のマッチョ感、男性っぽさ、荒々しさみたいなのが好みじゃないのでそれを回避できるのがいい。飲むときの見た目も、プラスチックのシェイカーの容器よりグラスの方が美味しそうに見える。美味しそうに見えるっていうか、そもそも食べ物・飲み物に見える。シェイカーから飲むと「サプリです!薬です!」っていう感じで、もしかして世の中の人はシェイカーから飲んでるから「まずくてもしょうがないなー」って思ってるのかもと思う。
余談だけどわたしはそもそも液体をガシャガシャ振るという行為が嫌いなんだと思う。高1の頃に、学食の1Lサイズのドレッシングを振ったら蓋が閉まっておらず、全身にイタリアンドレッシングを浴びて、以来卒業まで「ノンオイル青じそ」(振らなくていい)しか使わなかった人間なので仕方ない。振らなくていいの、サイコー。
ミルクフォーマー(a.k.a.電動プロテイン混ぜ器)を使うときの注意点
あまり小さいグラスを使わない
わたしが使ってるのは容量が300mlのグラスだけど、これは小さすぎてちょっと不便だと思っている。これよりやや大きい、400mlサイズとかが使いやすいと思う。 グラスが小さいと混ぜるときにプロテイン・牛乳がこぼれやすいのと、牛乳の上にプロテインを入れる段階でもプロテインの粉がこぼれて散らばりやすい。 どっちも慣れと技術である程度カバーできるけど、そんなところに集中力を発揮する必要はないと思うので素直に400ml以上のサイズのグラスを用意した方がいいと思う(自分に言っている)。
最初は小刻みに押す
スイッチを押下している時だけ「ブイーン」と動いて、手を離すと止まる仕組みになってるんだけど、「ブイーーーーーーーーーーーーン」で混ぜ終わる感じじゃなくて、「ブイ、ブブイ、ブイ、ブイ、ブイーーン、ブイーーン、ブイーーーン」っていう感じで最初は小刻みに動かす。 そうじゃないと最初に牛乳の上にこんもり乗ったプロテインが飛び散る。当然だけど軸は粉じゃなく牛乳の中に突っ込む。さもなくば粉が盛大に撒き散らされて終わる(寝ぼけている時にやったことがある)。
軸が歪み出したら迷わず交換
軸が歪むと動きがブレるので、混ぜる時に水面が大きく波打つようになる。つまりこぼれる。300mlのグラスで牛乳150mlとプロテイン1スクープを混ぜると泡立ちも含めて水面が上限ギリギリになるので*4、軸がブレるともう無理になる。ただ、もっと容量の大きいグラスで試しても軸がブレてる時は割とどうしようもなかったように思う。
ということで電動プロテイン混ぜ器、慣れれば絶対便利なのでおすすめですよ。外に持っていけないので外出時もプロテインを飲む人はシェイカー必要だろうけど、家では電動で併用した方が便利だと思います。弊家庭の夫も外ではシェイカー、家では電動プロテイン混ぜ器です。
ホエイ+『辻利 抹茶ミルク』
ゴリゴリした記事が続いちゃったけど、初心に戻って味研究です。
使ったのはこちら
- 出版社/メーカー: 片岡物産
- メディア: 食品&飲料
- この商品を含むブログを見る
味評価
B:それなりに美味しいので飲むのは嫌ではない
味の評価基準についてはこちら → 味の評価基準 - プロテインDIY日記
コメント
味の評価はAかBか迷ってギリギリB。わざわざ飲みたい!って感じるほどでは無いなということでBにしたけど、飲んでいて決してまずくはないし、普通においしい。抹茶とミルク(牛乳/ホエイ)という組み合わせがいいのか、「抹茶ミルク」の「ミルク」部分、具体的には原材料に書いてある乳糖、全粉乳、加糖脱脂練乳、の部分がホエイのクセの突出感を抑えてくれているのか、すんなり綺麗にまとまった味がする。ただ、甘みが強くてカロリーが高いのが難点で、本ブログで決めた「カロリー 50kcal以内」を超過してしまっている。あと、抹茶の風味が弱い。 風味についてはもっと量を多く使えば解消されるんだろうけど、これ以上増やすとカロリーと炭水化物量が増えすぎるので難しい。
ということでこれはこれとして、この辻利抹茶ミルクとただの抹茶をブレンドしてカロリー控えめ、抹茶感強めのベストな配合を最近探っているので近いうちに書けると思います。 試しにホエイ+ただの抹茶だけ、をやったら全然おいしくなかったので、「抹茶ミルク」の「ミルク」部分の功績は大きい。
1回分使用量
大さじ1(13g)
[補足]この抹茶ミルクを普通に飲む場合の使用量は「ティースプーン山盛り3杯(17g)」とパッケージに書いてあるんだけど、多分山盛り3杯入れると17gよりかなり多くなると思う。大さじ1が13gもあってびっくりした。
価格(購入時、1回分あたり、税別)
30円
熱量(1回分あたり)
58.1kcal 上限(50kcal)オーバー
たんぱく質(1回分あたり)
0.3g
脂質(1回分あたり)
1.5g
炭水化物(1回分あたり)
10.9g
<補足>
- 特に記載のない場合、ノンフレーバーのホエイプロテイン 25gと、無脂肪乳 150ml程度と一緒に混ぜたときの味について記載しています。
- ホエイプロテインは今のところマイプロテインの「Impact 分離ホエイプロテイン (アイソレート)」を使っています。
- 記事内の価格、カロリー等はプロテインと無脂肪乳の分を含まない、味付け材料の分だけのものです。プロテインと無脂肪乳の分は以下になるので合計が知りたい場合は合算してください。
プロテイン*1 | 無脂肪乳 | 合計 | |
---|---|---|---|
1回分使用量 | 25g | 100ml | - |
価格(1回分あたり、税別) | 51円*2 | 27円*3 | 78円 |
熱量 | 93kcal | 51kcal | 144kcal |
たんぱく質 | 23g | 5g | 28g |
脂質 | 0.1g | 0.0g | 0.1g |
炭水化物 | 0.6g | 7.6g | 8.2g |
筋肉量を増やすロイシンとロイシンを多く含む食品
プロテインブログを始めたら身近な人たちにわたしが筋肉やプロテインに興味があることが伝わって、生物系の研究職の友達(not筋トレマニア)が「ロイシンを飲むと筋肉が増える」と教えてくれたので今日はその話です。
筋トレマニアたちの間では「BCAA(バリン・ロイシン・イソロイシンの総称)を飲め」というのは割と常識っぽくて、わたしもパーソナルトレーナーに教わった初日に「トレーニング中の水分補給は”BCAA”って書いてあるの溶かして飲んだ方がいいよ」と教わっていたんだけど、なんで飲んだ方がいいのかをちゃんと考えたことはなくて、まあ必須アミノ酸の一部だし、筋肉が合成されるときに足りないとボトルネックになる可能性があるから取るのかなーくらいにぼんやり思っていた。
で、今回「ロイシンを飲むと筋肉が増える」という話を聞いて調べて見たんだけど、この名古屋大の先生が書いている「分岐鎖アミノ酸代謝の調節機構」って言う総論が分かりやすくて(リンク先で全文読めます)、
関係あるところをすごいざっくり要約すると、
- BCAAにはタンパク質の構成アミノ酸としての機能だけでなく、タンパク質代謝及びグルコース代謝を調整する機能がある
- タンパク質代謝に強い生理作用を持つのはロイシンである
- ロイシンはタンパク質の合成を促進する(mRNAの翻訳を促進する)
- ロイシンはタンパク質の分解を抑制する
- BCAAは骨格筋のタンパク質合成を強く促進する
っていう感じ。なるほどロイシン摂取した方が良さそう。ていうかこれ、筋トレしなくてもロイシン飲んでたら加齢で筋肉落ちるのをある程度は防げたりしないの?すごく可能性を感じる。感じない?
で、よーしロイシン飲むぞーと思って、とりあえず自分が筋トレ中に飲んでいるBCAAのサプリを見たら、
- 出版社/メーカー: 味の素
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これ1回量に入ってるロイシンは460mg。
夫が飲んでるBCAAのサプリを見たら、
- 出版社/メーカー: Optimum Nutrition
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こっちは1回量あたり500mg。あんまり変わらない。
飲んでるプロテイン、は明記されてないのが多いから原料になる食品のデータを 食品成分データベース から引っ張ってきて前回と同じように比較すると、
これの「Leu」がロイシンね。最低がえんどう豆の7.48%、最高が牛乳の9.46%(重量)。だから、プロテイン1回量に含まれるタンパク質が25gとすると、 えんどう豆(ピープロテイン)で1,870mg、牛乳(ホエイプロテイン)で2,364mg。 こう見ると運動前や運動中に速攻で効かせたいって言う場合にはBCAAのサプリとかが良いんだろうけど(吸収が早いだろうから)、量を取りたいと思ったらプロテイン飲む方に分がありそう。多少は消化の段階でロスが出るんだろうけど、にしても4、5分の一にはならなそうだし。長時間効きそうだし。
で、プロテインだけじゃなくて食品でも意識して摂れたらいいよねと思って、どんなのがいいかも調べてみた。 便利なことに食品成分データベースには「食品成分ランキング」って言うページがあって、
ここで成分に「ロイシン」、表示順位「100位まで」とか選んで「選択」を押すと登録されている全ての食品のうち100gあたりのロイシン含有量が多い食品上位100がすぐ出てくる。 で、Googleで[ロイシン 多い 食品]とか検索するとこれの上位をそのままコピペして「この食品を摂りましょう!」とか書いてあるのが出てきたりするんだけど、 これが実は全然ダメで、1位「カゼイン」、2位「かずのこ(乾)」、3位「乾燥卵白」とかなんだよね。 ロイシンが多いから積極的に摂るべき食物って言うより、ただのタンパク質含有量の多い乾物orプロテイン抽出物リストになってる。
で、実際問題として食事の材料に使えて多く摂取できるものをピックアップしようと思って、
- 100gあたりのロイシン含有量が2000mg以上
- 100gあたり20g以上の水分を含む(乾物を除外)
- 100gあたりのナトリウム含有量が500mg未満(塩分が多すぎて多量摂取できない食品を除外)
ていう条件で絞り込んだ実用的な「ロイシンを多く含む食品リスト」がこちらです(可食部100gあたりで計算)。※この記事の末尾にテキストベタ張りで書いておいたので、読みにくかったらそちらでどうぞ。
当たり前だけど、プロテインを多く含む食品として普段から筋トレマニアたちが食べてるような食品リストになった。 まあそりゃそうだわな。
てことで、ざっくり言うと赤みのお肉や魚を食べると、それ自体が筋肉を増やしたり筋肉減少を抑える効果がありそうってことですね。みんなー、肉と魚を食べようー。
[追記]補足だけど、「可食部100gあたり」なので、当然その可食部にタンパク質以外の部分が含まれるほど数値は下がります。つまり、「鶏皮なし胸肉」100gと「鶏皮付き胸肉」100gとを比べると「鶏皮付き胸肉」の方が皮の重量の分、肉部分が少なくて不利だし、「豚ヒレ/焼き」と「豚ヒレ/とんかつ」だと衣とかの分だけとんかつが不利なので、別に「皮付きで食べると鶏肉のロイシンが減る」「とんかつにするとロイシンが減る」みたいな話では無いです。あと牛肉が輸入牛>乳用牛>和牛とかなのは、どれが一番サシが入っているか(日本ではサシが入った肉が好まれるのでそういう品種の肉牛を多く育てている)が表現されてるだけだと思います。そんな感じなので、肉や魚からタンパク質を取ろうー以上のことは言っていないです。
[追記]グラフの字が小さくなっちゃったので、テキストでベタ張りしておきます。
<ロイシン含有量の多い食品リスト>
食品成分 可食部100gあたりロイシン含有量(mg)
肉類/ぶた/[大型種肉]/ヒレ、赤肉、焼き 3200
肉類/にわとり/[若鶏肉]/むね、皮なし、焼き 3100
魚介類/(かつお類)/加工品/なまり節 2800
魚介類/にしん/かずのこ/生 2800
肉類/にわとり/[若鶏肉]/むね、皮つき、焼き 2700
肉類/うし/[輸入牛肉]/もも、皮下脂肪なし、ゆで 2600
肉類/ぶた/[大型種肉]/もも/皮下脂肪なし、焼き 2500
肉類/めんよう/[マトン]/ロース、脂身つき、焼き 2500
肉類/うし/[乳用肥育牛肉]/もも/皮下脂肪なし、ゆで 2400
肉類/ぶた/[大型種肉]/もも/皮下脂肪なし、ゆで 2400
肉類/にわとり/[若鶏肉]/もも/皮つき、焼き 2400
肉類/うし/[乳用肥育牛肉]/ヒレ、赤肉、焼き 2400
肉類/めんよう/[ラム]/もも、脂身つき、焼き 2400
豆類/だいず/[豆腐・油揚げ類]/油揚げ/油抜き、焼き 2300
魚介類/(あじ類)/むろあじ/焼き 2300
魚介類/(さば類)/ごまさば/焼き 2300
肉類/うし/[和牛肉]/もも、皮下脂肪なし、焼き 2300
魚介類/(かつお類)/加工品/なまり 2200
魚介類/(さけ・ます類)/からふとます/焼き 2200
魚介類/(さけ・ます類)/さくらます/焼き 2200
魚介類/(さけ・ます類)/しろさけ/焼き 2200
魚介類/(さけ・ます類)/べにざけ/焼き 2200
肉類/うし/[乳用肥育牛肉]/もも/皮下脂肪なし、焼き 2200
肉類/うし/[和牛肉]/もも、皮下脂肪なし、ゆで 2200
肉類/うし/[交雑牛肉]/もも、皮下脂肪なし、ゆで 2200
肉類/うし/[輸入牛肉]/リブロース、脂身つき、ゆで 2200
肉類/うし/[輸入牛肉]/もも、皮下脂肪なし、焼き 2200
豆類/だいず/[豆腐・油揚げ類]/油揚げ/生 2100
魚介類/(さけ・ます類)/ますのすけ/焼き 2100
魚介類/(あじ類)/まるあじ/焼き 2100
魚介類/(かじき類)/めかじき/焼き 2100
肉類/ぶた/[大型種肉]/ロース/脂身つき、焼き 2100
肉類/うし/[ひき肉]/焼き 2100
肉類/ぶた/[大型種肉]/ヒレ、赤肉、とんかつ 2100
肉類/にわとり/[ひき肉]/焼き 2100
ライス&ピーを自分で調合したらまずくて困ってる
前にこっちの記事 使っているプロテインについて - プロテインDIY日記 で書いたように、わたしはライスプロテインとピープロテインがブレンドされているSunfoodのプロテイン↓を飲んでいて、 jp.iherb.com すごく美味しいんだけど、ちょっと嫌な感じの健康へのアラートが書いてあるのと値段が高いのとで、乗り換えたいなと思っています。 で、マイプロテインでホエイを買った時についででライスプロテインとピープロテインも1袋ずつ買っていて、あとはこの2つをいい感じの比率でブレンドするだけだと思ってたんだけど、全然そうは行かなくて困っている。現実厳しい。
最初、Sunfoodの方はブレンド比を書いていないけどパッケージにアミノ酸構成は書いてあるなーと思って、 こういうのね、
マイプロテインの方にはパッケージにアミノ酸構成が書いてないから、代わりに食品成分データベース 食品成分データベース から「全粒/青えんどう/乾」と「こめ/[水稲穀粒]/玄米」のデータを取ってきて(抽出段階で構成はそんな変わらないだろと仮定して)、
前に書いたこっちの記事で紹介したブログの人と同じ手法で、何対何でその2つを混ぜるとSunfoodの方のアミノ酸構成と近くなるか検証しようとしたんだけど やってみたら全然意味なかったんだよね。 計算してみたら一番近くなるのは玄米84%、えんどう豆16%でその比で混ぜた時の状態を「Mixture」ってしてるんだけど、見るとそもそも玄米とえんどう豆の構成が結構似通ってて、まあその時点でこの手法は無理っぽいなーって感じで、しかもSunfoodのだけなぜかPheが突出してるし。なんで? 豆の細かい品種が違うとかプロテインに加工する段階で構成が変わるとか(そんなことある?)理由はよくわかんないけど、とにかく折角いそいそとアドイン(Solver)入れたりして頑張ってみたのに徒労だった。
で、まあアミノ酸構成はもうどうでもいいよ、味が好きだからSunfoodのブレンド飲んでるんだから混ぜてみて味で考えようと思ったんだけど、 その時になってボトルよく見たらちゃんと書いてあるじゃん、50:50で混ぜてるって。
いやあ、いよいよ意味なかったなあと思いながら、とりあえず味を確かめようと思って
- Sunfood ライス&ピープロテイン
- ライスプロテイン(マイプロテイン)
- ピープロテイン(マイプロテイン)
- ライスプロテイン(マイプロテイン)とピープロテイン(マイプロテイン)を50:50でブレンド
を計量して溶かしてみた。
これが測ったやつ(各10g)。左上から時計回りに1,2,3,4の順番。
こっちが無脂肪乳(各50ml)に溶かしたやつ。順番はいっしょ。
で、それぞれ飲んでみたんだけど普通に飲めるのはSunfoodだけでした。なんかもう、Sunfood以外どれも味が濃くて匂いがきつくて、特にピーは苦味が強くて非常に厳しい戦いだった。一口飲んで、あ、死んだなって感じ。
でも、前の記事で書いたみたいに黒みつ入れたらおいしくなるかもしれないし、味をつけておいしくなれば何でもいいんだと気を取り直して等量ずつ加えて見たんだけど、
- Sunfood →「S 頻繁に積極的に飲みたいくらい美味しい」知ってたけど超おいしい
- ライスプロテイン →「C まずくはないからまあ耐えられる」米ぬかっぽい匂いと後味が気になるけど飲めた
- ピープロテイン →「D まずいので無理」無理以外に言葉がない
- ライス・ピープロテイン50:50 →「D まずいので無理」ピーの苦味と味の濃さがマシになってるけどまだ苦い
っていう感じでした。 味見しながらそれぞれを半分ずつくらい飲んだところで、3はもう無理だなと諦めて、ピーを薄くすれば耐えられるのではと2と4を混ぜてみた(ほぼ等量)んだけど、
5.ライス・ピープロテイン約75:25 →「C まずくはないからまあ耐えられる」ライスのみよりちょっと良いかも、でもやっぱりピーの苦味がある
っていう感じでした。
で、この1kgずつ買ったライスプロテインとピープロテインをどうしようかなあと途方に暮れているのが今です。 結論としてはライスプロテインとピープロテインを混ぜたものが旨いんじゃなくて高いSunfoodのプロテインが旨い。もうそろそろSunfoodの飲み終わるんだけど次どうしようね。また同じものを買おうかな。でも成分が気になるし悩む。 味としては今回よりさらにライス多めで調整したらそれなりに受け入れられるものになるんだろうけど、でもSunfoodのものに比べたら確実に飲むときの幸福度ががっつり下がるので困ったなと思っています。